教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 747回 学びを刺激する 掲示

以前にも書いたが、掲示ははずためにある
何カ月も掲示するのは、単なる教室を飾るための壁紙である。
中には、一年間、はりっぱなしの掲示もある。
学級目標もその一つである。
目標は一年間変わらないのではずす必要がないと思われのだろう。


世の中の商業施設の看板を見てみよう。
看板が色あせているものがある。
その文字がかすれてみえづらくなっているものもある。
果たして、そのような店に入りたいと思うだろうか。
学級目標が書かれている画用紙は、学期ごとに新しくしてリフレッシュさせる。
さらには、学期ごとに具体的目標も書き入れる。


教室の掲示有効期間、賞味期限は長くて2週間である。
実際に私が実験した結果である。
2週間たつと、子どもたちは掲示に見向きもしなくなる。
書写や絵画も最初の3日間は、その前に子どもたちが集まる。
しかし、その後、時間がたつと壁紙と変貌する。


さて、今回は、学んでいない学習の掲示である
単元の次、その次ぐらいまでの掲示である。
社会科では、その単元で活用する写真やグラフなどを掲示する。
それに関する世の中のニュースも切り取ってはりだす。
ただし、掲示しても子どもたちに知らせない。
「○○についての掲示だからよく見ておきなさい。」とは言わない。
子どもたちの意思に任せる。


理科においても同様である。
春の生き物、夏の生き物などの写真を前もってはりだしておく。
そして、大切なことは、その単元の学習が始まる一日前にはずす。
その資料は、実際に授業のなかで活用する。
「このことについては、こんな写真があったね」と、子どもたちの記憶を呼び起こす。
子どもたちは、先生の掲示は、次の勉強に関係があることばかりだと思うようになったらしめたものである。
子どもたちは、学級の掲示に敏感になる。


たとえば、校外学習があるとする。
一週間前から内容と持ち物、注意事項を掲示する。
そして、前日の校外学習について説明する前にはずす
説明のときに「校外学習についてはすでに連絡しています。質問はありますか」
子どもは、「えっ・・」と驚きの表情を示す。


見てわかる、伝わるものは説明をつけない。

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