教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 742回  全校生を相手にする授業 朝会指導

毎月曜日に、輪番で職員が朝会指導をする。
週の目標や先週での問題点などを子どもたちに伝える。
先生方にとっては、全校生を相手にする授業。
そのような緊張感をもって取り組んでおられるでしょうか。


朝会指導は、教室の授業とは異なる。
一つ目は、視聴者が全学年であること。
二つ目は、視聴者の能力に学年差があること。
三つ目は、指導時間が3分から5分程度であること。


この短時間の間に、子どもを引き付けて聞かせることができるかが大切である。
朝会台に指導者が立つとしよう。
子どもは先生が何を話すかを少しだけ期待している。
あくまで少しだけである。


全校生の前に立つ。
すぐに話しださない。
黙って立つ。

そして、全校生と目を合わせるつもりで一人ひとりの子どもとアイコンコンタクト。
端から端へ、前から後ろへと眼差しを移動させる。
子どもたちは、どうしてすぐに話しださないかを不思議がっている。
子どもたちは立っている先生にすでに関心をもっている。


だから、指導者の最初の切り出し、ひと声が重要である。
「今日は、みなさんに注意があります」なんて切り出すと、それだけで朝会指導終了。
話の内容がわかってしまうからだ。
そうではなく、子どもたちを引き付ける最初の言葉を考えておく。
冬の日に外で元気に遊ばせたい時がある。
「寒いから、教室に閉じこもっている人がいます」
否定的な指摘はだめ。
子どもを叱っていることになる。
そんなのわかっているよと反発させる。


「今、運動場でどんなことをして遊んでいるのかな。○○・・○○・・?」
具体的に子どもの遊びをあげて、その様子と楽しさを話す。
休憩時間の子どもたちを観察した結果をもとに話す。
先生が子どもの遊びの楽しさの中に入っていく。


寒さに負けずに元気で遊んでいる子どもたちの姿を肯定すればいい。
それだけで、子どもたちは、先生に近づいてくる。


朝会での話は、低学年の子どもたちがわかるように話しかける。
言葉の内容、話す速度、間合いすべてが低学年仕様である。
視線は低学年に向ける。
時折、中学年から高学年へと視線を移す。


朝会指導の話す内容は、事前に書いてみる。
そして、できるだけ簡素化する。
一つの文を短くしてスリムにする。
特に、間合いのなかに子どもたちを引き入れるこつをつかむ。
ちなみに、うまくない俳優の演技には、この間合がない。
言葉だけで演技している。

×

非ログインユーザーとして返信する