教育随想 743回 説明文 内容を読む
説明文は日常生活のほとんどを占めています。
ゲーム、電化製品、薬の説明書などは説明文です。
説明文は、筆者の意図を的確に読み取ることがねらいです。
曖昧な読み取りは、実生活においては支障をきたします。
さらに、理科、社会科、算数文章題なども説明文で書かれています。
ところが、説明文の指導の多くは、ワークシートに頼って、本文をまとめさせています。
ワークシートにまとめられない子どもが問題です。
文章の読み方が指導されていません。
ワークシートは、学びの一つですが、すべてではありません。
どうも、指導者の手抜きではないかと思えるときがあります。
説明文の指導の一つの方法として書いてみます。
各学年に応じて、子どもの実態に応じて取捨選択します。
第1段階 内容を読む段階
教材文に何が書いてあるか。
書いてある事柄を正確に読み取ることに重点をおいた段階。
どんなことが書いてあるか、書いてある事柄の中身を読み取ること
が主なねらいです。
そのための指導内容として
・新出漢字の読み書き指導
①国語辞典を活用しての難語句指導
簡単に予想できるものは辞書を使いません。
予想しても意味がつかめない言葉だけを辞書を使って調べます。
辞書の初期の指導においては、辞書活用の練習として、すべての言葉を対象にします。
②すらすら音読できる指導
すらすら読めるためには、視界のなかに入る文字数を多くします。
言葉の区切りは、論理の区切りです。
筆者の意図がわかるように区切ることも大切です。
③意味内容のまとまりごとにわける指導・・・大きな段落・小さな段落
書いてあることを大まかに把握します。
それが大きな段落です。
最初から小段落に分けるのもいいですが、子どもの実態に応じて、大まか
につかませるようにします。
④何が書いてあるか、要点をまとめる指導
これは子どもたちにとって難しい学習です。
要点をまとめさせるためにワークシートが提示されますが、何が要点
なのかを理解できないまま一人勉強をしています。
要点を見つめる指導が抜けています。
要点は、筆者が読者を結論に導くための過程、道しるべです。
⑤重要語句(キーワード)の具体化の指導。
説明文のなかで、どの言葉が多く使われているかを見つけさせます。
ベスト3ぐらいを見つけさせます。
重要語句は、筆者の伝えたいことですから、当然、頻度は多くなります。
⑥接続語の順接、逆説の指導
論理的に読み取るためには大切な言葉です。
筆者は、接続語を駆使して、読者導きます。
学年の低い時は、重要な接続語のみを取り上げます。
特に、逆説の言葉は、筆者の叙述が方向を変える時です。
⑦全文要約、要旨を読みとる指導
高学年において指導されますが、難しいですね。
本来、筆者の意図を的確に把握しなければならないのですが、読者である子どもによってとらえる深みが違います。
それでいいのではと考えています。