教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 752回 最後まで読むための課題 3年国語「まいごのかぎ」第一場面

国語の場合においても、問題を意識させて読み進める学びが必要である。
単元通しての課題は、最後までその問題を意識できるものであること。
「なぜ」「どうして」という意識が継続できる課題設定を必要とする。


第一場面において、いりこはファンタジーの世界に入っていく。
物語全体を読み続けるための課題は
「また、よけいなことをしちゃったな」と落ち込む りいこから始まる。
どんなことがよけいだと考えているのか。
そのことがどうして落ち込むことになるのか。
落ち込むいりこの様子を読み取っていく。


課題設定
「またよけいなことをしちゃった」どんなことがよけいなのですか。
りいこが考える「よけいなこと」とは何かが中心課題になる。


①一場面を独りで読み返してわかるところに線を引く。
②発表する。
 ・こうしゃの手前にかわいいうさぎを付け足したこと。
 ・おとうふみたいなこうしゃがさみしかったから付け足した
・写生だから、実際にいなかったうさぎをかいたのだからよけいなことをした。
 ➡うさぎを付け足したことが、どうしてよけいなことかを考えさせる。


りいこがしょんぼりしている気持ちがよく表れている文はどこですか。
りいこがしょんぼりしている様子がわかる言葉を見つける。
 ➡「どんどんうつむいて 」「赤いランドセルだけが歩いているように見えました。」
   「どんどん」が入ることでりいこの気持ちの落ち込みが強く感じられる。
   「ランドセルだけが歩いて」去っていく りいこを後ろから追っている。
   さらに落ち込む姿が想像できる。


不思議な世界の入り口
 不思議なかぎを見つける。
 「夏のひざしをすいこんだような こがね色のかぎ」 どのようなかぎですか。
  この言葉から、ふしぎだなあと思わせることを想像させる。


りいこにとって「よけいなこと」とは何かを考えながら、各場面を読み進めていく。
主体的な読みを牽引する原動力である。

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