教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1052回 教師の適性「いっときの力」ではなく こつこつと

丹精をこめて育てる。
植物に花を咲かせるには「いっときの力」ではだめです。
年間を通して、その植物の育て方に通じていることです。
寸時を惜しんで世話をしなければなりません。
その世話をやくことが、この上なく幸せに感じられる人。
これが教育につながります。
要するに、教育は瞬間的な技術ではないのです。
植物でなくても、こつこつと地道に取り組んでいることがある人。
趣味でもボランティアでもなんでもいいです。
「いっときの力」では成功しないものに取り組んでいる人もすばらしいです。


私は植物を育てることが好きです。
学校に勤務している時は、どの学校においても校内の花壇を管理していました。
そのお陰で、今なお栽培活動を継続しています。


植物は、水と肥料をやっておけば成長すると思われている人がいます。
〇〇しておけば子供も自然に成長するという見方をされている人もいます。
子供たちについていえば
   ねだり事をきいてやればいい
   遊び道具やおかしを与えておけばいい
   機嫌をとっていればいい
そのような他愛のない見方をしてしまう危険性があります。


これはある学校での話。
校長室に、いろいろな花を飾られておられた。
訪れた人たちは口々に「お花が好きな先生。きっと心の温かい人だ」と好評だった。
それを不思議な思いで見つめていた子供がいた。
その子は思い切って校長室を訪れ、校長先生に尋ねた。
「校長先生はお花が好きってほんとなの?」
校長先生は
「本当ですよ。見てごらん、こんなにいろいろな花があるでしょう。」
さらに、子供は話しかけた。
「それはわかります。でもね、お部屋の外に今まで、飾ってあったお花が枯れて捨てられているのが、いっぱいあるのはなぜですか。」


裏話として、この先生、花を買ってきて飾り、水も肥料もやらず、日にもあてず、世話もせず、枯れたらポイっ。
大人は気づかなかったが子供は見ていた。


一つのことを誠心誠意取り組める人だけが、子供を地道に育てることができるのではないでしょうか。

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