教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 42回 掲示は はずすためにある

どこの学級でも、背面黒板には、習字や絵が掲示されています。 これらの賞味期限(子どもが興味をもって掲示を見ている期間のこと)はどのくらいでしょうか。 子どもたちを観察していると一週間です。 三日間は食い入るように見ていますが、それ以上の時間がたつと掲示物の前で立ち止まる子どもは皆無です。 それにも関わらず、習字や絵が教室の壁紙のように一か月以上残されたままになっています。掲示物ではなくただの壁紙…

教育随想 41回 掲示物 学級、学校目標 その効果は

すばらしい掲示、学級が華やかさに満ちている学級があります。 一つ一つ丁寧に作成された掲示物を見ると頭が下がる思いがしたものです。 新学期は、教室や廊下にある掲示物は新鮮です。 一年がたつとどうなのでしょうか。 教室の前面に掲示されている学級の目標です。 たいがいの教室には掲示されています。  「なかよく」「助け合おう」とか「思いやりを」「やさしい子」「たくましい子」「ねばり強い子」「がんばる子」…

教育随想 40回 発問? 質問?

教材研究をしたことは、その柱、核として発問となって表れます。 しかし、授業中の先生の発問と質問の区別はあいまいです。 授業中の先生の活動は以下のとおりです。 発問・質問・指示・命令・説明・補足・助言と細かくわかれています。 発問は、先生自身が子どもの答えをはっきりと予知できない問いを指しています。子どもたちが一つの概念にとらわれて、一応納得したと思われるとき、新たな問いを投入することによって、子…

教育随想 39回  授業で 子どもと仲よくなる

授業で、子どもと仲良くなります。 「えっ、仲良くなるのは、子どもと遊んだり話しかけたりするからではないですか」という疑問が生まれます。 それだけでしたら、先生でなくても誰でもできることです。 先生は、授業を通して子どもたちを引き寄せなければなりません。 授業ほど、子どもたちを魅了するものはありません。 学習が楽しい、わかるという気持をもたせ、より学習意欲を膨らませていきます。子どもは、教材を通し…

教育随想 38回 先生の 指導力と感化力

低学年では、学習に対して意欲を見せますが、高学年になるに従って、学習に対する意欲も関心も放棄した子どもが多くなっていきます。 子どもの顔も高学年になるほど暗く、陰鬱な表情を見せることが多くあります。 先生の顔色はどうでしょうか。 朝から帰りまで子どもの前で仏頂面をして、果たして学習効果があがるものでしょうか。 先生も人間ですから日によって体調の変化もあるし、プライベートで辛いこともあります。 そ…

教育随想 37回  わかるとわからないの間にあるものこそ学びの原点

さらに、前回に続きます。 私たちが物事を理解するとき、すべてがわかることはありません。 「わかりました」というのは、わかることをあきらめた時にでてくる言葉です。 なんとなくわからないところ、すっきりしないところかあるはずです。 でも、それ以上追究することが面倒になって「わかったことにしよう」ということになりがちですね。 「わからない」と言っても全くわからないわけではありません。 なんとなくわかる…

教育随想 36回 「わかりましたか」とたずねて「はい」と本当に言える子どもがいますか?

前回に続き、「わかる」ということについてお話します。 重複するところもありますが、大切なことなので続けます。  「わかりましたか」という言葉を授業の中で何回使われるでしょうか。 「わかりましたか」という問いかけに対して「ぼくはわかりません」という子どもが何人いるでしょうか。 できる子どもが「わからないです」ということはあっても、勉強に劣等意識をもっている子どもたちは、「わかりません」とは言いづら…

教育随想35回 学びとは 「わからなさ」を捨てないこと

学ぶ力とは、子ども自身が教えられたものに対して、自ら問いかけることができる力であり、内発的なものです。  先生が教えたことに対して、「でも、こんな場合はどうなるのか」「本当にそれでいいのか」と簡単に納得しないことです。  授業において、子どもたちに簡単に「わかった」と言わせないことです。  「わかった」と思ってしまうと、それ以外の事実を追い求めようとはしません。  授業がわかることばかりの追究に…

教育随想  34回  先生の話し方を 振り返って

先生の説明は、子どもたちの思考の速さに合わせることです。 子どもたちの考える働きに合わせて話す速さを調整します。 低学年の子どもには、さらに、間合いをとって話します。 低学年の子どもたちは、先生の話を自分の頭の中で再度繰り返します。 その繰り返しが終わるまで、間をとってあげることが必要になります。 最近のテレビやラジオ番組の中でも、出演者の話が速いです。 センセーショナルに話そうとするのはわかり…

教育随想 33回  生物を育てることは 命を看取ること

理科は一学期は生物領域の学習が多いです。 中学年は年間を通して、四季の移り変わりと生物の変化を学習します。  命を大切にする気持ちを育てることがねらいです。  理科の学び方は問題解決学習です。  ただ、最初においては、クイズ形式の問題、三択式とか○×のどちらかを考える学習もおもしろいです。全員参加で楽しみます。  子どもたちに植物の世界の不思議さに興味を持たせる上で有効です。  クイズは、子ども…