教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 935回  授業の基本は 講義形式にあり

新年度、授業を開始する時、話し合い滑動を取り入れることがあります。
子どもたちの実態がまだわからない時には、独り学習に徹します。
先生を中心とした一斉学習をします。


子どもの前で、一時間、講義をすることができますか。
先生のお話だけで、子どもを退屈させないように話すことができますか。
45分間は大変なので、少なくとも15分間は先生が講義をして子どもたちを引き付けることができるようにします。
それだけの力がないと、班学習、対話的学習は小手先の指導になります。


落語や漫才が一方的な話だけで観客を引き付けます。
興味ある話題提供と巧みな話術です。
私は若いころ、落語を聞いて(時には劇場に足を運んで)話し方を学びました。
特に、間合いの大切さに感銘を受けたものです。
間合いの中に観客を誘い込んでいく巧みさがいいですね。



話し合い学習がすばらしいのではありません。
講義形式よりも話し合い学習の方がすばらしいという風潮があります。
子どもの姿が目に見えることで、あたかも、子どもたちが主体的に学んでいるように見えるからです。


講義形式は大切です。
先生が一方的に話しても、子どもたちの学ぶ意欲が深まっていけばいいわけです。漫談や落語は一方的ですが、私たちを魅了します。
学校の授業も同じです。
少し厳しいことを言いますと、先生が一時間、子どもたちに講義して、子どもたちが離れてしまったら、話し合い学習しても効果を期待することはできません。


先生が話すときに大切なことがあります。
子どもたちの表情やまなざしを察知します。
子どもたちの心理状態や学びの様子に気配りします。
それができなければ、話し合いをさせても子どもを支援することはできません。
子どもの状態を把握できないからです。


まずは、先生が朝の会の学級指導の時に、先生からの連絡や注意事項について話す練習をしてみてください。
3分間から5分間の時間で、子供たちを引きつけることができるように工夫します。


最初の言葉で子どもを引きつけるには
具体例をどうするか
まとめに余韻を残すには
余韻を残すというのは、先生が結論をすべて言わないで、あとは、子どもたちに考えてごらんという終わり方です。
講義形式は、先生にとって、自分の話し方を磨くチャンスですね。


さらに、練習の場があります。
朝会指導の話です。
全学年を相手にしますので、教室とはちがいます。
朝会指導は低学年の子ども、特に、一年生の表情を意識しながら話すようにします。
自然とゆっくりと間合いを取るように話せるようになります。。


連絡一つでも、いい加減な話し方をしないようにします。
一番伝えたいことから話し始めます。
だらだらとあとから付け加えることのないようにします。
「ええっと」「あのう」という意味不明な言葉を省略します。


さらに、先生の話し方の練習の場があります。
職員会で提案するときです。
事前に資料を見て、押さえどころを確認します。
読んでわかるところを口頭で伝えないようにします。


授業の基本は、講義にあります。
一方的に子どもたちに教えることtができることです。
教えることで学ぶ意欲を大きくします。

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