教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想931回  最初の授業は 表紙から始める

「今日から国語の授業を始めます」
子どもたちの机上を見ます。
「教科書のページをすでに開いていますね」(意欲的な子)
「A君は、教科書を閉じたままですね」
A君はあわててページを開こうとする。
「A君は教科書の表紙を見ていましたね。いいですねえ」


「みんなは、どうして表紙を飛ばしてページを開いたのですか。表紙は教科書ではないのてすか」
子どもたち…表紙だけど・・・。


「さあ、今日は、国語の勉強の一回目です。表紙から勉強しましょう」
「国語六年 創造」という題がつけられています。
「絵を見てごらん。どんなことがわかるかな。三つさがしてごらん」
※これだけでは考えにくい子がいる場合は
「どんな動物がいるかな。ひとつだけあげてみましょう」
        ➡子ども一人ひとりを指名して言わせる。
「子どもたちがいっぱいいますね。何人いるかな。隣の人と答えをだしてみましょう」(ペアの最初である)


「子どもたちはそれぞれどんなことをしているかな」
「全員起立。二人でどんなことをしているか対話してごらん。対話だから代わる代わる話すんだよ」(話と対話の違い)
…子供たちは対話している・・・


「話が終わったら二人で座りなさい」
 ➡最後まで残るペアがいる。そのペアの対話を他の子どもたちに聞かせる。
「自分たちの対話と違うところがあったかな」(自分たちの対話の評価)
  ※楽しい雰囲気で全員が参加できるようにする。
    新しい友達との緊張感を和らげる。


「次に質問します。子どもたちはそれぞれどのような話をしているのかな、
想像してごらん。聞こえないものを聞いてごらん」(創造ではなく想像から)
    ➡ペアを使って対話を楽しむ
「おもしろいことを想像した人がありますか。紹介してください」
   ・・・子ともたちの笑いがでるようになる・・・


「ところで、今みんなが話をしたのは「想像」です。(黒板に漢字を書く)
教科書は「創造」という漢字が使われています。どう違うのかな」
創造の意味
「新しいものを自分の考えで創り出すこと。」


国語の六年生の目標は
「想像から創造をめざして」です
※ここでは、文や言葉から想像していくこと。
 そして、
想像したことから、さらに、自分だけの考えをもつことができるようになることがねらいであることを概ね理解させる。
ただし、この目標は、一年間という時間をかけて達成するものだということも付け加える。(ゆっくりと目標に向かって)


中表紙の絵と詩から
「面白い絵だね。今度は表紙の絵と違って、人間が真ん中に大きく
書かれています。みんなは、この絵からどんなことを想像しますか」
  挙手発言と指名発言


中表紙の詩
枚の紙から、船が生まれる。飛行機が生まれる。
ひとかたまりの粘土から、象が生まれる。
生まれる 生まれる わたしたちの手から次々と。


「一人で声を出して読みましょう」2回読む
「次は、覚えるように3回目をよみましょう」
    ・・・・さりげなく覚える時間を与える。・・・


「それでは、教科書を見ないで詩を言ってごらん。まだ、自信がない人は
 ちらっと、少しだけ見てもいいです」
「それでは、全員で教科書を見ないで一緒に声を合わせて読みなさい。


一枚の紙を子ども一人一人に配布
「この一枚からあなたの手であなただけの作品を創造してごらん。」
 …作品をつくってお互いに見せ合う・・・少し展示しておいてもよし



この授業は、簡単な内容で誰もが参加できるようにしています。
気軽に対話できるような話題にしています。
学級の雰囲気を楽しめるようにしています。


このように、全員参加「ぼくでもできるかも」という安心感と期待感が
生まれるようにします。
子どもたちの学びたいという心に、しっかりと寄り添っていく授業を創造します。
どの学年でもできることです。

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