教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想915回 教育実践は 常に未完のまま終わる

一年間、先生が実践してこられたことを振り返るのは、自分の恥部をみることになるのでつらいものです。
できれば、何もなかったことにして「概ねできたかな」という程度にすましたいものです。
しかし、安易に見過ごしていくと、教師としての能力は衰退するばかりです。


年度当初に、先生は学級や学習指導における目標を立てました。
達成できたものは何一つないのが当たり前です。
どんなに頑張って実践しても、それは未完に終わっています。
できたと手放しに喜んでみても、それは、未完成です。
先生を退職するまで未完のままなのです。


しかし、目標に向かう教育実践の1本の道を考えると、今立っている位置が去年の位置よりもわずかでも前に進んでいるならばよしとします。


振り返り
終業式の日に、できるならば子どもたちにアンケートをとります。
① 楽しかったことベスト3
② もっとしたかったことベスト3
③ 各教科について評価してもらう。
3段階評価・・・おもしろかった どちらとも言えない おもしろくなかった
※これが先生の授業評価です。
 このようなアンケートは、子どもと別れる当日に実施します。
 子どもたちが、先生に忖度することがない日。
④ 4月に立てた計画、目標に点数をつける。
※具体的に内容をあげて評価できたらいい。


まだ、他にも先生によっては、振り返りたいことがあるはずです。
振り返りは出発です。
決して終わることのない実践に向かっての営みです。


総合的に、去年の実践と比較して(感覚的でもよし)少し前進したのか、後退したのかを判断する。
そして、前進、後退の理由をきちんと書き留めます。


反省から省察、考察と続きます。
常に未完であること、だから、少しでも前に前にと歩むしかないのです。
実践評価の基準は、他の先生と比べないこと。
個人内評価です。
それぞれの先生によって、個性も考え方も人生も違います。
だからこそ、今の自分を大切にして、自分の教育実践を構築されてはいかがでしょうか。
 あなたにしか実現できない実践があります。
 自分の個性をもって子どもに向き合うしかありません。
  それをよしとするかしないかは、子どもに委ねたらいいです。

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