教育随想 911回 最後の一週間、子どもたちの胸を借りてみましょう
先生方は、あの四月に大変だった子どもたちを、今では、多少とも落ち着いて学べる子どもたちに育てられたことでしょう。
学習集団として育てられてきたことでしょう。
その子どもたちの胸を借りましょう。
今までできなかった授業実践をしてみましょう。
詩の指導が苦手な先生は、投げ込み教材を使って実践します。
理科や社会では、発展的な内容に挑戦することもいいでしょう。
授業形態で自分の考えていた新しい方法を実践されるのもいいでしょう。
今がチャンスです。
先生の「ためしてガッテン」の時間です。
プリントによる復習だけでは、子どもたちが飛び立っていく意欲が膨らみません。
話は少し変わります。
私が転勤で他校に行くことになったときのことでした。
昨年度、卒業した子どもたちが私の送別会を開きたいと学校に訪ねてきました。
そして、先生に「ごんぎつね」の授業をしてほしいといわれました。
彼らの言い分は、4年生の時にであった「ごん」と中学一年生の時に出会う「ごん」を比べたいとのことでした。
中学になった子どもたちが話し合いを中心にした「ごん」の学習をしたいということでした。
私は、子どもたちにとって「ごん」が体のなかに浸透した授業であったのでしょう。
話がそれてすいません。
最後の一週間であっても、一週間だからこそ、子どもたちの意欲と能力を背景にして、新しい学習内容や方法を実験してみます。
子どもたちに一つの課題をすべて任せてみるのもいいです。
先生の育てた子どもたちが、どれだけ主体的に取り組んでいくか楽しみです。
集団学習を活用した授業をします。
子どもたちの学びの心をさらに強くします。
次の学年に少しでも(少しだけですが)つなげていけるようにしたいものです。
私は、終業式の日には、必ず、1時間の授業をして終わりました。
授業を通して子どもたちと別れました。