教育随想 888回 4年 国語「ウナギのなぞを追って」学習指導の実際 第5時
ねらい
8から11段落を読んで、「海山の近く」「新月のころ」という二つの仮説を導いた調査内容を読みとる。
指導にあたって
ここでは、疑問、仮設、検証、結果という科学的な考え方を実際例をもとにして学ぶ
よい機会です。
思考の仕方を学ぶための読み取り学習にします。
説明文は、本来、筆者の論理的な考え方を学ぶことがねらいです。
内容理解は、その結果、あとからついてくるものです。
よくある授業風景は、子どもたちに説明文の内容を理解させることに終始しています。
そのために、実物をもってこられた授業を多く拝見しました。
しかし、国語は、文章、言葉から読み取る技能を身につけさせます。
国語は技能教科です。
指導展開
課題を3つ挙げます。科学的思考のプロセスを追います。
課題1 二つの予想とは、どのような予想ですか。
① 一人で読み直す。➡場面読みは3回は繰り返したい。
② 該当する部分に線を引く。➡できるだけ余分な言葉を省略させる。
③ 全体で確認する。
★読みの出発になるので、全員が理解できるようにする。
二つの予想とは
○親ウナギがたまごを産む場所を決めるときに、買い残が何かの役に立っているかもしれないという予想
○新月のころに合わせて、いっせいにたまごを産んでいるのではないかという予想
課題2 二つの予想は、どのような事実をもとにして考えられたのですか。
予想を考えるための事実とは何ですか。
※P.81のグラフを参照。
東へ行くほど、とれるレプトセファルスは小さくなり、ある地点をこえるとぱったりと れなくなるという事実
多くのたんじょう日が、新月の日前後に集まっているという事実。
課題3 予想にもとづいて調査した結果、どんなことがわかってきましたか。
この場合も一人から始まり、問題の難易度に応じて、ペア、班などの学びの型を
取り入れます。
この点はとても重要です。
指導者しかわからない子どもたちの気持ちと思考を推察して次の一手を打ちます。
わかったこと
親ウナギたちは、「新月のころ」に、「フロントと海山の連なりが交わる地点」で
たま ごを産むかもしれない。
最後に、
子どもたちに仮説をたてて検証していく方法についての感想を書かせます。