教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 886回 4年国語「ウナギのなぞを追って」学習指導の実際 第3時

1.ねらい
第1段落から第3段落を読んで、話題として提示されている内容について読み取るこ  とができる。筆者の研究に対する思いを読み取る。
2.指導にあたって
○筆者の課題を読みとる場面である。
  ○キーワード
「ウナギのなぞ」「今年も」「マリアナの海」
「実は」「実に」に表れた筆者の気持ち
3.指導にあたって
とらえる段階
一段落から三段落を読んで、ウナギなぞをとくためにマリアナの海にやってきたわけと筆者の思いを読みとる。
たしかめる段階
課題1
ウナギのなぞとは、どんななぞか。
①一段落から三段落を読む。
②なぞとは何かを読みとる。
➡そのなぞがわかるところに線を引く。
➡発表する。
➡ノートに書く
  問題を提起してから読ませる。
  なぞ ウナギがどんな一生を送る生き物のなのか


課題2  
なぞをとくために、マリアナの海にやってきたが、どんな海か。
3つ見つけなさい。マリアナの海についての事実だけを取り上げる。
  ★数を設定しなくてもよいが、することで緊張感をつくる。
   一つだけみつけたらいいかという子どもに緊張感を与える。
   上位の子には、「4つ以上はむずかしいけど見つけたらすごいね」
   プライドの刺激。
② 読み直して線を引く。
②全体で考える。



中心課題
どうして、筆者は「実は」「実に」という言葉を使ったのか、筆者の思いを読みとろう。
① 「実は」「実に」の言葉からわかる筆者の思いは何か。
   「本当は」と、強調しなければならない気持ちとは。
★実は  事実をはっきりというと
   実に  疑う余地のないものであるという思いをこめて、断定したり強調したりする様子


2つの文を同時に問題にする。
「実は、ここが、日本中のウナギが集まってきて、いっせいにたまごを産む場所なのです。
それからこの場所がつき止められるまでに、実に八十年近くの年月がかかったのです。」
筆者の気持ちが表れているところが「実」「実に」以外にもう一つあります。
どこか印をつけなさい。「・・・のです」の文末表現


実は」・・・南の海にまで調査に来ることは不思議ですね。「本当なんですよ」「信じてください」
実に」・・・読者の人は信じられないでしょうが、つき止めるのに七十年以上もかかっているのですよ。


筆者の熱意が伝わってくる段落です。
説明文は、筆者の思いが目立たないようですが、本当は、言葉の端々に読者に対する思いを込めています。単に、事実を述べているのではなく、読者にわかってほしいという願いにあふれています。

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