教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 88回 つぶやきから始める学びの道

 学年に関わらず、次のようなつぶやきが内外に表れるとき、学習が深まっていきます。


「なぜ」「ほんとうに」「えっ、ちがうでしょ」
「やっぱりな」「でもなあ」


 学習に表れる言葉、子どもたちが学習意欲をあらわしている言葉です。
 授業においては、この言葉をとりあげて活用します。
「えっ、ちがうでしょ」と子どもがつぶやいたとき、すぐに「どこが違うのかな」と問いかけます。あるいは、「あなたは違いがわかるんだね、すごいねえ」。
子どもたちのつぶやきのなかで、学習を広げたり深めたりする言葉を意図的にとりあげていきます。
簡単に納得させてはいけません。
わかりましたか、わかりましたねという先生の殺し文句で、子どもたちの疑問、こだわりを閉ざしてはいけません。
つぶやきは、思考過程において、思わず出てくる言葉です。


低学年はには多く見受けられますが、高学年でも頭の中でこの言葉を発していますので、子どもたちの表情から先生が察知して取り上げます。
「○○くん、首をかしげているけど、どこが納得しないのかな」というように声をかけます。
つぶやきは、声だけとはかぎりません。
子どもたちの表情やしぐさからも発せられています。
「今の先生の説明で納得していないでしょ。それがいいのだよ」
「自分で考え始めると、そんなに簡単にわからないものだよ」


つぶやきを先生の高感度アンテナで考えで拾い集めます。
そして、そのつぶやきで、先生とその子が立ち止まることで、学びのきっかけや広がり、さらには、深まりが始まります。


挙手発言、つぶやきを整理するためのものです。
話し手と聞き手を分けるものです。
自由気ままに話していたのではだめなので、それぞれの意見を交通整理するために行います。
挙手するだけで「私が言います」「わたしに言わせてください」という思いを表明しています。
集団学習における基本的な学び方です。


挙手している子どもたちを見て指名します。
指の先がのびている子、指の先に力がなく曲がっている子、指の先が開いている子、その形には、その子の不安と自信がにじみでています。
不安な子には、やさしくていねいに接します。
間違うかもという不安を抱いてる子どもを全体の話し合いの場に連れ出します。


指名するときに指で指名しません。
手のひらを上にして、「どうぞ」という思いをこめて指名します。
私は、人差し指で指名することを好みませんでした。
それは、自分がそうされたら、あまりよい思いを持たなかったからです。
先生の上から目線で指名しているように思ったからです。
手のひらを上にして指名すると、とても優しくなります。
人に席を譲るときのように指名します。

×

非ログインユーザーとして返信する