教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 836回 自分の骨格を理解することは自分の命を守ること             4年理科「 ヒトの体のつくりと運動」から

「ヒトや他の動物の体の動きを観察したり資料を活用したりして、骨や筋肉の動きを調べ、ヒトの体のつくりと運動のかかわりについての考えをもつことができる。」(指導要領 理科 4年)


子どもたちは自分の体について、どれだけのことを知っているか。
特に、自分の形を整えている「骨格」についてどれだけ理解しているか。


子どもたちが自分の体についての知識をもつことは、自らの命を守る上においても大切な学習である。
子どもたちにとって、自分の体の中、内臓については多少意識している。
ところが体を元気に動かすことができる若い時には、骨格のつくり、骨の動きについては、意識することが少ない。
私のように年令を重ねるにつれて、日々、骨を意識しない日はない。


命を大切にするために、自分の体の仕組みを知る。
骨の役割は、支える・動かす・守るの三つであるが、教科書では、動かすという働きに焦点をあてている。
しかし、支える、守るという働きも指導する。
6年生で体について学習するのだが、大まかな知識は、自分の体を守る上で早いほうがよいと考えられる。


骨格について学習するときにもう一つ指導したいことがある。
骨格は人間が人間であることの大切な証拠である。
教科書でもうさぎの足と人間の足の骨格を比べさせている。
うさぎの運動特性を考えると骨格の太さが違ってくる。


しかし、人間が他の動物と最も異なるのは、頭骨(頭のほね)である。
チンパンジーと頭骨と比較する学習をすると、脳の大きさが異なることに気付く。
人間の脳の大きさが他の動物の頭骨を比べることによってわかる。
私は、チンパンシ゜以外に、カエル、ヘビ、犬などの頭骨を提示している。


4.指導計画(5時間)
導入として
第1時 骨はどこにあるの、自分の体の骨をスケッチしよう。・・・1時間
骨のはたらきを考えよう
第2時 他の動物の骨のしくみについて知る。・・・1時間
      チンパンジーの頭骨  うさぎの足の骨
第3時 関節の位置としくみについて知る。・・・1時間
第4時 筋肉のはたらきについて知る。・・・1時間 
第5時 映像資料によるまとめ 学校教育放送番組から


骨格のしくみを知ることは、自分の体をけがや命から守ることである。
動物との頭骨の比較は、人間らしさを発見することである。

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