教育随想 832回 「ごんぎつね」発展的な学習 二つの立場に立つと
前回の学習の仕方は、ごく普遍的なものである。
しかし、子どもたちの学習能力によっては、次のようなことも考えられる。
その立場とは次の通りである。
① ごんの立場(おれがくりなどを持って行ったことをわかってくれ)で二人の会話を読む。
② 客観的な立場で二人の会話を読む。
その中心となるのは
加助の言葉「さっきの話は、きっと、そりゃ、神様のしわざだぞ。」
兵十「えっ。」と兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
誰が持ってきたかは本当にわからなかったようだ。
兵十にとって重要な事件で、だれが持ってきたかを考えあぐんでいる。
「神様」ごんの立場で考えると、大きなショックである。
神様のしわざにされると、それ以上に持ってきた人物を考えてくれなくなる。
神様が最後の結論になってしまう。
ところが、客観的に考えると、それ以上考えられないから、加助の口から突発的にでた可能性がある。
さらに、「えっ」という兵十の言葉から、何か他のことも考えていたのではないかと想像できる。
このような立場にたって子どもたちが考えられるようにする。
文に触れる そして感じること 思うことをもとにして、自分の考えをさらに広げたり深めたりする。
そして、話し合いと言う場で、それを表出することがこの時期の子どもたちに求められる。