教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 833回 2年国語「お手紙」 学習指導 音楽劇に向けて

教材解釈
本単元は、ちょっぴりわがままながまくんと、友達を想い一生懸命にやさしい言葉をかけるかえるくんなど、ユーモラスなキャラクターで構成されている。二人の掛け合いがおもしろく、楽しく読むことのできる資料である。
地の文が少なく、会話文を中心として展開していく作品の特徴を生かし、様々な言葉や表現から、豊かな心情の読み取りを図る事ができる。
文面通りではなく、会話の中から登場人物の本心を想像するなど、これまでにない活動も経験することができる。


また、「すぐやるぜ」「あきあきしたよ」など児童の心をくすぐる言い回しも多く、声に出して読む喜びも味わうことのできる資料であり、様々な音読形式を用 いて読み取りもすることができる。


「場面の様子に気付きながら読むことができるようにするとともに、楽しんで読書しようとする態度を育てる。」ことである。
この物語は、それぞれの場所・登場人物の行動や心情の変化から、場面の移り変わりがとらえやすくなっている。
物語の世界を味わい、楽しみながら、 情景を思い浮かべたり、登場人物の心情を想像し読み取る力を高めたい。


展開の角度
会話が多いこの作品の特徴を生かして、役割読みで音読をし、音読劇をする中で、登場人物どうしのやり取りをたっぷり楽しませたい。
音読劇をするというめあてを最初に明確にして意欲化をはかる。


★ただし、音楽劇をするめあてはいいのだが、作品の内容を読み深めるものでなければならない。
簡単に読み取り、上部だけの解釈で終わるのではなく、音読劇をするというのは、読み取りの手段でなければならないと考える。
 がまくんとかえるくんの微妙な気持ちのふれあい、かえるくんのがまくんの気持に同化していくやさしさを感じさせたい。
 子どもたちの日常生活の中では、頻繁に起きている心の交流である。
 だからこそ、この物語を通して、友達とは、友情とはという課題を意識させたい。


最後に、子どもたちにお手紙を書かせる。
だれに書くかは、子どもたちの読みの深さに関係する。
「友達への思いやりとは」についても考えられるようになればいいだろう。
物語を読むとは、「人間の見方を学ぶ」ことである。


実践例として
指導計画 (12時間⇒9時間)
第1次 
          第1時 楽しい音楽劇にするために学習の見通しをもつことができる。
第2次 場面ごとに人物の行動と会話を通して二人の心の交流を読み取る。
   第2時  がまくんの気持を思いやるかえるくんが家にもどってかえるくんに手紙を書くことになったかえるくんの気持を読み取る。
   第3時 手紙がくるのをあきらめたがまくんの様子を気にかけながら手紙が届くのを待つかえるくんの気持を読み取る
   第4時 ふたりでお手紙が届くのを待つしあわせな気持ちを想像する。

第3次 音読劇の準備
    第5時 音読したい部分を決め、ノートに書き写して、音読の工夫などを考えることが
        できる。
   第6時 考えた読み方の工夫に気を付けてグループで音読劇の練習を行い、互いの音読                     の方法について感想やアドバイスを伝え合うことができる。
  第7時 友達の助言や、さまざまな読み方を聞いて、音読の仕方を工夫しなおし練習を       
      行うことができる。
第4次 音楽劇の発表
  第8時 これまでの学習内容を生かして、音楽劇発表会を行うことができる。
第5次 登場人物にお手紙をかく。
  第9時 登場人物に向けて手紙で伝えたいことを考え、簡単な構成の手紙をかく。


以上、音楽劇の発表に向けての学びの過程を計画する。

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