教育随想 826回 先生の口ぐせ 言いたくなるのが「はやくしなさい」
先生自身が自分の口ぐせに気付いていないことが多いものである。
いや、いや、自分の口ぐせぐらいわかっているよと言われるかもしれない。
しかし、意外に気づいていな言葉がある。
試しに、子どもたちにアンケートをとってみるとよい。
「先生の口ぐせべスト5」ぐらいの言葉を聞いてみる。
自分でも気づいていな言葉がでてくるものである。
よく言われる言葉に「はやく、もっとはやくしなさい」がある。
全体で集合する時や特別教室に移動する時などに使われる。
勉強においても、もっとはやくしなさいと言うこともある。
時間短縮、行動時間の早さなどいろいろある。
先生の意図することよりも子どもの活動が遅くなるといらいらする。
先生の考えた計画に狂いが生じる。
自分本位になる子どもに、はやさを求める。
30人の動きはすべて違うとわかっていても、ついつい口ぐせになる。
それではどうすればいいのかということになる。
黙って見ていることも考えられる。
あるいは、子どもの動きが遅くなっている原因を考える。
先生は、一方では「じっくりと考えなさい」とアドバイスする。
「じっくり」と「はやく」の間で子どもはうろうろする。
子どもの学びや作業の時間差が大きくなるほど「はやく」という言葉をだしてしまう。
教育とは、本来、とても効率の悪いものだと考える。
IT教育で指導の仕方をシステム化することで効率化をはかる。
子どもの状況を一律化することで効率をあげる。
そんなに急いで、教育はどこに行くのでしょうか。