教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想825 教育随想825回 3年道徳「よわむし太郎」視点を変えて考える 学習指導のポイント

主題
 善悪の判断 自律 
ねらい
心やさしいよわむし太郎が、殿様から白い鳥を守る姿を通して、よいと思ったことを行うときに大切なことについて考えさせる。
正しいと信じることを行い、正しくないと判断したことを止めようとする心情を育てる。


指導にあたって
教科書の問いかけは3つあり、問いかけの意味を考える。


 ①との様の前にたちはだかったとき、太郎はどんな気もちだったか
  ★殿様は権力者である。よわむし太郎が前に立てる相手ではない。
   殺されるかもしれない。
   それよりも強い気持ちは何かを考えさせる質問である。
  ★怖くて立てないのが当たり前である。
   その「怖さ」自分の命の危険に対する恐れがあるはずである。


「おまえも鳥といっしょにしとめてしまうぞ」と言われても動かなかった
   太郎は、どんなことを考えていたのか。
   ★あきらかにおどしである。相手は弓矢を持っている。
    そこまでされたら引き下がるしかない。
    それでも立ち向かおうとする態度はどこからくるのか。
    ➡子どもたちの鳥を守りたい
    ➡自分も大切にしている鳥を守りたい。
    ➡鳥の命も自分の命と同じである。
    ➡殿様ならわかってもらえるかもしれない。
    ➡大勢の家来の前で自分を殺したら恥になるのでは。
    ➡鳥を守りたいのか、それを世話している子どもたちを守りたいのか。


 ③「よわむし太郎」が消えたのはどうしてだと思いますか
   ➡よわむしと呼んだのは、子どもたちである。
   ➡自分たちがからかっても、にこにこわらっているだけの太郎をいじめる。
   ➡子どもたちは太郎の鳥や自分たちを守ってくれた様子を見て改心したのだろうか。
   ➡子どもたちは太郎のことをどのように呼ぶようになったのかを考えると
    おもしろい。



さて、展開の視点を考える


よわむし太郎のやさしさにふれていない。
背は高い、力は人一倍ある。
それなのに、太郎は子どもたちにからかわれても笑っている。
子どもたちは、その様子を見て「よわむし太郎 こっちへ来い」
この姿勢こそ、問題にすべきである。
「自分のいいなりになる人」をからかう態度、これは、いじめの一歩である。


太郎の立場にたつと、
見かけは大きいから、ちょっと叱ってやれば逃げるに違いない
それをしようとしない心の広さ、それがやさしさだと考えることができる。
本来ならは、自分をからかう子どもたちに良い印象をもっていない。
それでも鳥を殿様から守ろうとしたのはどうしてか。
やさしとは、だれかを守ることかもしれない。
やさしさとは、自分に対する厳しい覚悟を伴うものであ

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