教育随想 84回 ノートのレベルアップは 模倣から
子どもたちのノートをレベルアップする効果的な方法は、次のような方法です。
先生自身が子どもに成り代わって、模範ノートをつくることです。
背面掲示板に「ノートレベルアップコーナー」をつくります。そこに、先生のノートを掲示していきます。
子ども用のノートに、実際に子どもたちが書けるようにノートをつくります。文字や数字はていねいに書きます。
その先生用のノートを子どもが見たとき、「きれいだ」「ていねいだ」「すっきりしている」「見やすいなあ」という声があがるようにします
さらに、ノートの使い方の上手な子どものノートをコピーして掲示します。
一人一人のノートを検閲してコメントを書く手間を考えると、模範となるノートを掲示することのほうがはるかに効果的です。
どの指導もそうですが、子どもたちの中に目標となるよい実例を提示します。
できる子の中から指導のヒントが多く生まれてきます。
集団学習の良さは模倣です。
ただし、他の子どもたちについては、少しの変化をていねいにとりあげてほめていきます。
模範ノートと比べてはいけません。
形成的評価です
昨日の子どものノートと比べた今日のノートの変化です。
個人内評価ですね。
ノートの「ていねいさ」「すっきり感」などは、一目見てわかりますね。ですから、お互いにノートを交換しあうことでわかります。
あるいは、自分のノートを広げさせて椅子を内に入れさせます。そして、「2分間、ノート参観をしなさい」という指示のもとに、友達のノートの良さを盗みます。
これは意外に効果があります。
先生がくどくど説明するよりも、友達と比べさせることで自分のノート見つめさせるようにします。
「ノートを使うページ数」を問題にするのもいいです。
ノート一冊を使い切ったら、教室保管にします。
子どもたちが自由に閲覧できるようにします。
さらに、同じ教科の二冊目が終わったら、ホッチキスで一緒にしてとじます。
そして、保管。
一年間で国語などは五冊以上になる子どももいます。これは、ノートを使う量を問題にしています。
子どもたちは、ノートの中に図や絵を入れることもあります。
自分の考えや調べたことを多く入れる子もいます。
一年間が終わって、大切にとっておきたいと思えるノートを作らせたいものです。
ノートづくりは、中学、高校になっても役立つそうです。(卒業生たちの声)