教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 83回 思考過程がわかる ノートづくり

どのような課題をもって、どのように学んでいったかがわかるノートづくりです。


 課題は囲み記事にします。
 左がわ2cmから3cm程度の縦線を入れます。
 見出しを書く欄にします。


 理科では
 問題(疑問)→予想(仮説)→実験(観察)計画→わかったこと→考えたこと→さらに疑問・・・問題の探求過程がわかるように書きます。
ノートは、自分の思考過程を書いていくものですが、「友達が読んでもわかるノートづくり」という意識をもたせることで、ていねいなノートづくりが期待できます。


社会では
問題→推理する(話し合い)→確かめる(調べる)→まとめる→広げる(わかったことを他のことに適用)→感想・振り返り
あるいは、「さしすせそ学習」
さがす・しらべる・すいりする・せいりする・それをつかって(さらに深化)


算数では、教材によって違ってきますが、
問題をつかむ⇒自分で解決方法をさぐる⇒友達とねりあう⇒自分で深める
⇒問題になれる など・・・


問題をとらえるときは、前時の学習の違いを明確にします。
「どこが違うのか」「どこが同じなのか」ということを明確にします。
算数の場合は、系統的な学習ですので、前時の学習との違いを明確にすることが大切です。
さらに、「どこまで、できたら学習は終わるのか」を最初に見通しを立てさせます。「見通し」という欄をつくります。学習のゴールをはっきりさせることで一人学習の方向性が明らかになります。


 学習経過、状況がわかるとていうことについては、特に、算数ノートが問題になります。
 算数は思考過程がすべてです。
 ていねいに答えだけがかかれているノートには、疑問を感じています。
 理想的には、ケシゴムを使わないノートです。(高学年の場合)
 間違えたあとを残すノートです。
 間違ったところをケシゴムで消すのではなく、他の空白を使って計算をやり直します。



さらに、効果的なものは、間違えたとき、間違えた理由を文章化します。
面倒ですが、すべてをそのようにする時間はありませんが、必要に応じて実施します。
算数ノートの一ページの三分の一は作文でうめられています。
ここまでは、各教科の一般的なノートのとり方です。
国語については別の回でお話しします。


 「わかっていること」「わからないこと」「疑わしいこと」求めていること」なども必要に応じて書かせるようにします。
話し合いのあと、自分の考えだけでなく、友達との考えの違いや話し合って追加できることも加えます。
友達との違いを書かせるようにしていくことで、「比べて考える」という習慣を身につけさせます。
考えるときに、矢印を多用していきます。
文を短くして、その関係や思考の流れを矢印を使って表します。
理科や社会の学習の最後において、感想を書くことが多いですが、ただ、書かせるだけでは意味がありません。
自分の考えを「振り返って明日からはどうする」」「まとめてさらに知りたいこと、わからないこと」」ということを書かせます。


もっと大切なことは、学んだこと、わかったことをもとにして、「だから、他のことにもこんなことがいえるぞ」というように「ひろげる」ことができるようにします。
 理科の実験や観察事実をもとにして、日常生活のいろいろな事実を解釈できるようにします。ひろげるということです。
 さらに、結果から新しい問題を「見通す」ことができるようにします。ノートに書かせます。
ごみや水の問題を学んで、現実の生活の問題点を考えられる、広げられるようにします。
歴史で学んだことを通して、現実の社会を見直すことができるようにします。
問題点や未来についての課題も生まれてきますね。


 考えるノートとは、「推理するノート」「比較するノート」「新たな問題を発見するノート」です。

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