教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 822回  中学年における集団思考

中学年は、パワーもあり活動的な子どもたちである。
徒党集団を組む傾向が強い。
普通は同性集団で異性を排除する。(性意識の芽生え)
徒党は男女ともに見られるが特に男子が目立つ。
これは男子の行動範囲が広くかつ活動的だからである。


そこで留意すべきことをあげる。(あくまで私の実践経験から)
子どもたちが徒党を組んでいると、もっと誰とでも関わりを持つように指導することがある。
しかし、今の時期、徒党期の子どもたちを温かく見守ることが大切である。
先生は、できるだけ集団に近づき、その徒党集団のリーダーになる。


子どもたちは、自分の地位の獲得に関心を持っていることがある。
特に、クラスのなかで失跡されたり批判されたりするのは子どもにとって重大事である。


自己主張が強くなるのは、自己発見と充実の時である。
したがって、子どもの主張にしっかりと耳を傾ける。
子どもの言い分には矛盾していることが多いのが中学年の特徴でもある。
言葉と行動が一致しないこともあるが優しく見守る。


徒党集団は自然発生的なものである。
その集団に属している子どもたちを観察すると、その集団がその子の行動の基準になっていることがある。(仲間意識)
集団の楽しい雰囲気を大切にすると同時に崩れ過ぎることのないように育てる。(学習においても)。
特に、集団レクリェーションと並行して行われることが望ましい。
学級の行事、集団遊びを活用する。
中学年の集団思考は、徒党としてのグルーブを活用する。
個々の子どもの考えは、グループの価値観に影響されていることもある。
個人の考えを否定することは、そのグループを否定することになることもある。


もう一つ大切なことがある。
子どもが徒党を組むとき、大人からの干渉をのがれるためのルール、場所、通信手段をつくる。(先生はしっかりと把握しておく)
これは、青年でも見られるが、自分たちの仲間意識を高めるために、自分たちしかわからない言葉、しぐさを作ることがある。
そのことをやさしく見守りながら子どもたちと意思疎通をはかる。
中学年の子どもとの意思疎通で大切なことは、否定ではなく肯定から近づくこと。
とにかく強い主張に耳を傾けること。(カウンセリグ手法)

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