教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想  821回  低学年における集団思考

研修課題として、「対話的学び」という言葉が多く使われている。
しかし、IT教育を取り入れるなかで、子どもたちが自分の生の姿で、友だちと考えを確かめ合う場が少なくなっている。


集団思考は、友だちと共に考え合うことである。
友だちの考えを参考にしなが自分の考えを明らかにしていくことである。
肉声で友だちとコュニケーションを通して、お互いの考えを尊重できるようにする。
対話的学びは、子どもたちがお互いの目を見て話すことが前提である。
コンピュータから飛び出さない限り不可能である。


低学年の子どもが集団で考えることは難しい。
低学年の集団は安定感がかけるからである。
むしろ、集団に慣れさせることを主眼にする。


それでは、実際の指導をどうするか。
一人ひとりの子どもが何を考え、何を言いたいか、その動向を把握する。
子どもたちが自分なりの考えをもつことができるように支援する。
グループは二人が最初である。


対話ができることが第一歩である。
友だちの顔を見て自分の思いを伝えられる。
友だちが何を伝えたいかを理解することができる。


ただ、改まって話し合いの場をつくらないほうがよい。
子どもたちは学習といっても、大半は遊び的活動である。
ごっこ遊びが主となる場面も多い。


授業において、低学年の子どもたちにとって話し合うことは難しい。
先生は「友だちの考えも聞きなさい」と言われるが、子どもたちはそんなこと関係ないのである。
自分を吐き出せばよい、発散が一番である。
発散させて、聞く人がいないと困ることに気付かせる。


さらに、学習場面で集団思考を育てる時に留意することは
① 聞くことよりも、まず、自分の考えをおもいっきり話せる場面を多くつくる。
子どもは自の考えを聞いてもらったら、それだけで満足する。
② ①の活動を十分させてから、二人の対話(ペアによる話し合い)
を指導する。
その指導は、スモールステップとして指導する。
まず、二人で交代で自分の考えを発表する。
わたしが言ったらあなたが話す、あなたが話し終わってからわたしが話す。


二人の考えをたし算して発表する。
「こんな意見とこんな意見です」単純なたし算の考えを発表する。


次に、話し合って一つの考えにする活動を入れる。
無理せずに、二人が同じ考えだったら一つになる、そうでないなら、二つの考えを出させる。
こうすることで、お互いの考えには共通と相違があることに気づく。
最後に、自分の考えと違う子どもをペアにして、一つに考えを絞る練習をする。
いずれにしても、子どもの状況を見ながらゆっくりとすすめたらよい。

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