教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 820回  3年国語 「ちいちゃんのかげおくり」 指導 その7

物語のクライマックスである。
子どもたち一人ひとりが今まで読み取ってきたことをもとにして、自分なりに ちいちゃんは幸せであったかどうかを考えさせる。
あくまで子どもの結論にとどめ、指導者が戦争反対を叫ばない。
3年生の子がとらえた戦争でいい。
ちいちゃんの家族を信じる心が、ちいちゃんを強くしていることに気づける。
ちいちゃんのかげおくりになって幻想的な世界が表れている。


指導目標
一場面と四場面のかげおくりの様子を比べて、同じところ、ちがうところを見つける。
一人でかげおくりをして幻想の中で家族に会えたちいちゃんの気持ちと、ちいちゃんの死を対比させて戦争の非人間的なものを読みとる。


指導にあたって
○学習のポイント
 ①「そのとき」とはどんな時か、場面の背景を読みとる。
 ②一場面のかげおくりと比べてどこが違うかを読みとる。
 ③ちいちゃんはしあわせだったのかを考える。
   死んでしまったから不幸せ
   家族に会えたから幸せ この両極があるだろう。


指導展開
とらえる
課題 一場面のかげおくりとくらべて、どこが、どのようにちがいますか。
たしかめる
①違うところに線を引く。
②ちがうところを発表する。
③ちがうところからどんなことがわかるかを考える。
      ふってきました。
ちいちゃんの声から始めるかげぼうし。
地面にうつるちいちゃんのかげ
花ばたけにたつちいちゃん


ふかめる
発問①
ちいちゃんはしあわせだったといえるのだろうかを考えましょう。


①ノートに書いて考える。
②話し合う
 ※子どもたちの対立点をとりあげることで話し合いが深くなる。
発表から話し合いにもっていく
③友だちの考えを聞いてから、もう一度ノートに書き加える。


※ちいちゃんの幸せの有無を考えさせる。
家族に会えたと考える子は幸せかもと考える。
反対に、ちいちゃんは死んでしまったから幸せではないと考える。
戦争がちいちゃんを死に追いやったことは事実であるという現実。
子どもたちが家族の運命は戦争によってもたらされたものであると。
※結論をださない。子どもたちの心にはあいまいなままで残ればいい。
  それが、彼らが成長していくなかで、自分の考え方を深めるはずである。
まとめる
みんなの意見を聞いて、自分の感想をまとめる。

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