教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 819回 国語「ちいちゃんのかげおくり」 指導 その6

指導目標
 「きっと帰ってくるよ」という家族を信じて一人で待っているちいちゃん 
  の不安な気持と少しずつ元気がなくなっていく様子を読みとる。     
指導の展開
導入
質問 ちいちゃんは、どんな朝をむかえたのでしょうか。
     ※子どもたちからでにくいので、先生が確認する。
・ちいちゃんがひとりぼっちになった次の朝。
 ・ちいちゃんがお母さんとはぐれた次の朝。
 ・たくさんの人たちのなかでねむった 次の朝
・町のようすがすっかりかわった朝。
      ➡主人公がおかれた境遇、環境を知るために状況を整理する。
  ※登場人物の背景、おかれた環境を把握することは、人物を一方的な
解釈に偏らないために重要である。


発問「町の様子はすっかりかわっています」どのようにかわっていたのですか
      ・あちこちでけむりがのこっている
・どこがうちなのかわからない
・ちいちゃんの家はやけ落ちてなくなっている
    ※文章にのっていないことでも、空襲の様子から考えられることを想像させる。  けが人 死者  行きかう人の服そう など
空襲の爪痕を想像させる大切な場面である。


とらえる
課題 「きっと帰ってくるよ」という家族を信じて、一人で待っているちいちゃんの気持と様子を読みとろう。
発問
「ちいちゃんは、深くうなずきました。」
「・・また深くうなずきました。」
□この2つの言葉から、ちいちゃんの気持ちを考えよう。

 ノートに書いて考えなさい。
☛考えを出し合って、ちいちゃんの気持ちを想像する。
※「深く」という言葉からちいちゃんの強い気持ちを読みとらせる。
②について、「おばさんと一緒についていったほうが安心ではないのか」というゆさぶりを入れる。


ふかめる
発問 ぼうくうごうの中で一人、家族を待つちいちゃんの気持ちを考えよう。
・こわれかかったくらい防空壕のなか
・ほしいいを少し食べました
「お母ちゃんとお兄ちゃんは、きっと帰ってくるよ。」と信じるちいちゃんの気持ち
 ※防空壕、ほしい、かじると言う言葉からちいちゃんの様子と気持ちを想像させる。
※ちいちゃんは、この防空壕のなかで、何回の夜を過ごしたのかを読み取らせる。


まとめ
今のちいちゃんを見て声をかけであげよう。ノートにまとめる。
※自分の前でちいちゃんが横たわっている姿を想像させる。
 どのような言葉をかけてあげたいかを考えさせる。


※精神的にも体力的にも限界に達しているちいちゃん。
 ちいちゃんのおかれた環境を読み取らないと浅い読みに終わる。
 ちいちゃんの行動と環境を読み取ることが、戦争という悲惨な状況を
 読み取ることになる。
読みを通して、作品を通して、一人一人の子どもたちが気付いていけるようにする。

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