教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 818回 3年国語「ちいちゃんのかげおくり」 指導 その5

1.指導目標
空しゅうで家族とはぐれてしまった空襲の様子を想像する。
ひとりぼっちになったちいちゃんの不安な気持ちを読みとる。              
2.指導にあたって
  ○大きく分けて3つのを読みとる。
 ①空襲警報の夜、火が回る恐ろしさ。
  ②ばくれるに至ったちいちゃんと家族の様子
 ③ひとりぼっちになったちいちゃんの気持
3.指導の展開
導入
場面では、広い空はとてもこわい所になりましたね。
夏のはじめのある夜
空襲警報のサイレンでちいちゃんたちは目がさめました。
さて、どうなったのでしょうか。音読しましょう。


とらえる
お母さんたちとはぐれて、ひとりぼっちになったちいちゃんの気持ちを読みとろう
たしかめる
発問① くうしゅうけいほうのサイレンがなった夜、どんな夜だったのか。
 ①読みかえしてわかるところに線を引く。
②線を引いた言葉を発表する。
③言葉から夜の様子を想像する。
 ※想像しがたい不安と恐怖に気付かせる。
※一つ一つの言葉から、空襲のイメージを膨らませる。
   くうしゅうけいほうのサイレン
   赤い火が、あちこちに上がっています
   ちいちゃんとお兄ちゃんを両手につないではしりました
   かぜの強い日
   風があつくなってきました
   ほのおのうずが追いかけてきました
   ちいちゃんは、お母さんとはぐれました。
   そのおじさんは、ちいちゃんをだいて走ってくれました
そして、ちいちゃんの気持ちがのぞきます。
  でも、その人は、お母さんではありませんでした
   
ただし、先生の誘導によって、増幅させないようにする。
あくまで、言葉、文章事実から想像させる。
 子どもたちが自分で言葉を見つけることができないものは、先生が
 言葉や文を提示して考えさせる。


発問② ちいちゃんは、どうしてお母さんたちとはぐれたのか。
  ①はぐれた理由がわかるところに線を引く。
②発表する。
 ・お兄ちゃんをおんぶしたから。
 ・たくさんの人に追いぬかれたり
 ・ぶつかったりしたから。
   ③ふかめる➡助言によって深める。
     人々が恐怖で逃げるときの様子を想像させる。
     多くの人の逃げる様子を想像する。
われ先ににげまどう人々とは
 小さい子やお年寄りはどうしたかな。


発問③ ひとりぼっちになったときの、ちいちゃんの気持ちを考えよう。
①ノートに書いて考えよう。②発表する。③話し合う。
※初めての恐ろしい体験をしたちいちゃんに寄り添って読み取る。
ちいちゃんの見たもの、聞こえてきたもの、そして、感じたものを浮かび上がらせる。
まとめ
ひとりで眠ってしまったちいちゃんを見て、あなたはどう思うのかを書く。


授業の別案

子ども質が半年たって、自力読みが鍛えられてきたら以下のような順で


授業するとおもしろい。


自力読みを鍛えるには、場面ごとに一つだけの課題でよい。


その課題を解決するには、場面全体を読まなければいけない。


それが核になる発問である。


上記の授業の流れは、階段を上るような指導である。


この授業は、最初の一段から最終の段にとんでしまう指導である。


別案の流れ
二場面の最後の2行を問題にする。
「ちいちゃんは、ひとりぼっちになりました。ちいちゃんは、たくさんの人の中でねむりました。」
お母さんと一緒だったはずなのに、
 どんなことがあってひとりぼっちになったのだろうか。

① 自力で読み返して文の中の言葉を見つける。
② 空襲の様子を読む。
③ その結果はぐれてしまう。
もし、子どもたちが、最初の発問のみで考えることが難しいなら、適宜、上記の発問を入れて、段階的に指導する。


学習はスタートを明確にしたら次は、その時間のゴール(目標)を提示する。
スタートとゴールの間に子どもたちの学びがある。
子どもを鍛えるためにどの教科においても必要なことである。
スタートとゴールが離れているほど、子どもを鍛えることになる。

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