教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 817回 三年国語「ちいちゃんのかげおくり」指導 その4

指導目標
家族みんなでしたかげおくりの様子とちいちゃんの幸せな気持ちを読み取る。
その裏に流れる切ない想いと暗い背景をお母さんの言葉を通して読み取る。


.指導にあたって
家族みんなでしたかげおくり、家族の気持ちの盛り上がりがあって、大きな
記念写真ができる。
たのしいはずのかげおくり、それをなんとなく暗くしているものがある。
「出征するの前の日」の出来事であるという事実に着目する。
かげおくりを切なくさせているものが戦争である。
ここでは、お母さんの言葉「大きな記念写真だこと」が読みの柱である。
言葉の裏にあるおかあさんの気持ちを考えることで、出征するお父さんと家族が離れ離れになる悲しみの気持ちが横たわっている。



とらえる
課題 お母さんが、「大きな記念写真だこと」と言った時の気持ちを考えよう
たしかめる
第一場面を黙読。 
ノートにお母さんの気持ちを書く。
全体で、気持ちを考える。
     発表➡話し合い


★なぜ「今日の」と言う言葉をお父さんはつけたのか。
なぜ「大きな」という言葉をお母さんは付けたのか
※子どもたちの捉え方は二通りになる。
家族の楽しい場面だから記念写真。
お父さんと最後の別れになるかもしれないから記念写真。


子どもたちの読みの深浅が表れるところである。
子どもたちの話し合いに寄り添う。


ふかめる
発問① 「出征する前の日」とはどんな日なのか。
・お父さんと過ごす最後の日
・家族みんなで過ごす最後の日。
・戦争に行って帰ってこないかもしれないと
・不安に思う日。
・体の弱いお父さんが戦争に行くことが不安でたまらない日
・ちいちゃんは、出征の意味がよくわっていないかもしれない日。


発問② なぜ、お母さんは、「ね。今、やってみましょうよ」と言ったのでしょうか。
・お父さんとちいちゃんたちとの様子を見て提案している。
・お父さんにとっても、子どもたちにとっても最後の思い出になるかも
・子どもたちと最後の別れを感じているお父さんの気持ちを知っているから。
  ※「横から」と言う言葉を問題にするのもよい。
          お父さんと子どもたちの会話を聞いてこみ上げてくる感情➡「横から」に表れる。
   お父さんと子どもたちの楽しそうな会話を止めるお母さんのいてもたってもいられな   
   い気持ち。


「体の弱いお父さんまで、いくさに行かなければならないなんて」
 ぽつんと言ったことをちいちやんの耳には聞こえました。
  ※お母さんの戦争に対する気持ちが表れている場面。
  それを聞いたちいちゃんの気持ち。・・・深入りしない


発問③ 「広い空は、楽しい所ではなく、とてもこわい所になりました」どこからそのこと  がわかるだろうか。
  ※ちいちゃんの家族も戦争に巻き込まれていく様子を読み取らせる。
・いくさがはげしくなって
・かげおくりなどできなくなりました。
・しょういだん、ばくだんをつんだひこうき
※お父さんと子どもたちの楽しそうな会話を止めているお母さんのいてもたってもいられない気もち。


まとめ
ちいちゃんは、この大きな記念写真をどのように心に残したのか。(刻んだのか)


最初の課題に対して、自分の考えをノートに書かせる。
そして、発表して簡単な話し合い。
この時に子どもたちの考えにずれが生じる。
それを検証するのが課題①から③である。

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