教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

育随想 809回 専科の授業 まず、子どもを安心させること

専科の授業者は、普段の子ども同士の交友関係に詳しくない。
専科授業で学級集団に接するとき、最初に確認しておくことがある。
ふだん、子どもたちがどれだけ学びに意欲をもっているかである。


子どもたちの学習の準備の状態を確かめる。
何人の子どものたちが机上に教科書とノートをおいているか。
さらに、今日の学習のところを開いているか。
ノート、筆記用具は準備できているか。
この人数を確かめておく。
この人数が時間を重ねるごとに多くなるか少なくなるかが自分の授業に対する検証である。


授業のなかで、目が合わない子どもが何人いるか。
中には、ななめに着席している子もいる。(初めから学習をあきらめている子)
子どもたちの手元の動き、机下の足の動きもチェックする。
子どもたちは集中していないとき、先生から見えない部分(机の下の足)を動かしている。


学級担任ではない学級で授業をするときに注意することがある。
「この先生は、僕たち全員を相手にしている」と思えるようにさせることである。
そのためには、挙手で子どもたちの学習を進めることを控える。
子どもたちが意欲的になるまでは、挙手指名を最小限に留める。
恐らくふだんの授業は、挙手する子どもが中心になっているからだ。
子どもたちの理解度を確かめる時に挙手することはある。


先生の説明や質問のなかに子どもたち一人一人を包み込む。
「○○くん、今日の勉強についてどんなことを知っているかな」
「月と星の勉強だね。○○さんにたずねていいかな。月についてどんなことをしっているかな」
「どんな月をみたことがあるかな。黒板に一つ書いてごらん」
「○○くん、ほかにみたことのある月を付け加えてごらん。」
ていねいに一人一人とのコンタクトを大切にする。
「○○くん、この間、上手になわとびしていたね。ところで、満月はどこからあがってくるかな」
子どもについて見聞きしたことを入れることで、子どもとの距離は縮まる。


「今の先生の説明でわかったかな?○○くんはどうかな」
子どもがわからない、少しわからないと答えたら、そのことを褒める。
褒めることで、次から指名する子どもは、正直にわからないと言えるようになる。
子どもたちを安心させることが重要である。
わかる、できるよりもできない、わからないを大切にする先生だと子どもたちに感じてもらうこと。


専科担当の先生と子どもとの間に必要なことは、子どもたちを安心させることである。

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