教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 82回  ペアによる聞く指導 未決定も決定である

ペアによる聞く指導、だいたい一学期に重点的に指導します。


ペアで討論させます。
何かを決定させます。
できれば二者択一の課題がいいです。
AかBかという討論をさせます。


その結果を発表させます。
「話し合った結果・・・の理由でAにしました。
あるいは、「話し合った結果・・・の理由で決定できませんでした」


この未決定が大切なのです。
何でも結論をださせようとするのは問題です。
なぜなら、世の中のことは、話し合っても未決定のことの方が多いからです。
未決定も決定の一つであることを教えたいものです。
「わからない」ことが「わかる」ことの一つであると同じように。



ペアによる指導は、班や全員による話し合いの基礎になっています。
やがて、班による話し合い、本格的には6月下旬から始めます。
学級の方向性が表れるのは六月末です。
学級がまとまってくるのは6月末から7月上旬です。
それまでに学級がまとまってしまうと、二学期から少しずつ結束がほどけます。
実は、その結束は先生による圧力であったからです。


自然に子どもたちがまとまっていくような指導が必要です。
それが「個を鍛える」ことで、全体がまとまりと活気を帯びてきます。


電子レンジで物があたたまるのと似ています。
一つ一つの粒子にエネルギーを与えて振動させます。
そこから出る熱、それぞれの熱で全体の食材があたたまります。


学級づくりは、学級という枠組みをつくることではありません。
もちろん、そのような指導も必要な時があります。


しかし、何よりも大切なことは、
1人ひとりの子どもにエネルギーを与えることです。
1人ひとりのエネルギーが学級全体を温めます。

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