教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 769回  2年国語「ス イ ミー」 主人公に寄り添う子ども

2年生の「スイミー」という作品は、仲間と共に生きることの大切さを示唆する。
今までの学級生活、自分と友だちの在り方を振り返ることもできる。
指導目標
〇文章の中の大事な言葉や文を書き抜き、それをもとに感想を書くことができる。
 〇人物の行動や場面の様子などについて、想像を広げながら読み、感想を書くことができる。
                              以上、指導書より
人物の行動や様子から想像を広げていく力を育てる。
低学年であっても、低学年だからこそ基礎として、文章事実にひっかかる子どもに育てたいものである。
言葉にひっかかる➡言葉をひろいあげる➡言葉から様子を想像する
少なくとも、丁寧に指導していく。


教材について
スイミーという魚が主人公である。
主人公の眼を通してと見る場面の様子が描かれている。
主人公の行動や会話に沿って読み進めていけば、展開を無理なく理解できる作品である。
主人公と自分を重ねて読む経験(同化体験)は、これからの読書活動に大きな影響を与える。
登場人物と自分とが同化できない子どもがいる。
物語のなかに入っていけない子どもたちである。


主人公のスイミーは小さな、魚たちの中でも少し特異な存在である。
みんなが赤いのに一匹だけ真っ黒ということ。
泳ぐのがだれよりも速いというところから強い存在にさえ見える。


しかし、スイミーも他の魚たちと同じで、寂しい、悲しい気持ちを持っている。
このことが子どもたちにとって、身近な存在として受け入れやすいものにしている。
スイミーに共感し、知恵と力を集めて今までの生活から脱しようとしている小さな魚たち。
困難を乗り越えて、それを知恵と勇気で自分の生き方に生かしていこうとするスイミーの姿に感動する作品である。



指導計画…8時間
第1時 全文を読んで学習の見通しをもち、あらすじをつかみ、感想をもつことができる。
第2時 スイミーの人物像を読み取る。
第3時 恐ろしいまぐろに兄弟を奪われる様子を読み取り、独りぼっちになったスイミーの気持ちを想像する。
第4時 すばらしい海の世界の様子読み取り、その中でしだいに元気を取り戻していくスイミーの心情を想像する。
第5時 岩陰にいる小さな魚たちに出会い、呼びかけ、知恵をしぼり考えがひらめいて、大きな魚を追い出したスイミーたちの様子を豊かに想像する。
第6時 最後のクライマックスの場面、音読を通して豊かに表現できるように
      する。
      音読、群読のよい場面である。
第7時 作品を読んだ感想を書いて、友達と感想を交流する。
第9時 「-ような」「-みたいな」などのたとえを表す言葉を使って、つながりに気を付けて様子を表す文章をかくことができる。


低学年の子どもたちは、物語を体全体で読む。
子どもたちの音読の様子を見ていると、身体のどこがか反応している。
臨場感を出せるような音読を友だちとできることで親密感が増していく。

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