教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 684回 教室の 入り口と出口

街に出かける。
大型店には多くの人々が出入りしている。
入口と出口。そこは、人が交錯する場所である。


ドア、そこから入る人もいれば、出る人もいる
同時に出入りすると、人と人とが重なり合う。
時には、往来が停滞する。


そこに自然に生まれるのが「譲り合い」である
公共の場にはすべて入口と出口がある。


教室の入り口と出口を見てみよう。
入口から入る子もおれば、出ていく子もいる。
入口から急いで入ると、出る子とぶつかり合うことがある。
プラットホームで乗車する時、出る人が下りるまで乗車客は待つ。


教室の出入りをじっくりと観察するだけで子どもが見えてくる。
入ってくる人に一切関係なく入室する子。
そうかと思えば、入口の端を通って入る子。
入る時に出てくる子がないかを窺う子。
出入りする子が重なった時、必ず、自分が立ち止まって相手を優先する子。
一度に入室するとき、周りの子の入室を優先する子。


出入口は、お互いに人間同士の気持ちが交錯する。
交錯することで、相手に対する気配り、気遣いが見える。


子どもを知る上で大切な出入口である。

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