教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 685回 競争心 広い生活の範囲のなかで切磋琢磨

子どもに競争に勝つことによる優越感を経験させる。
競争心は、子ども同士が切磋琢磨する上で大切である。


ただし、競争させる内容が一種類であるのはだめである。
ある子どもだけに課題な優越感を持たせるのはよくない。
自分以外の人の立場を考えられない驕り高ぶった子どもをだしてはいけない。


一人ひとりの子どもたちが、広い生活の範囲のなかで、優れている面と劣っている面の両方を感じさせるように指導する。


A君  算数文章題は優れている。しかし、マット運動は苦手。
B君  漢字テストは得意。しかし、歌唱は苦手。
C君  算数の計算が苦手。しかし、整理整頓はトップクラス。
D君  図工が苦手。しかし、笑顔はクラストップ


学習、生活、広い生活の範囲のなかで、それぞれ優れている面と劣っている面とを感じさせるように指導する。
そうすることで、自分の弱点の強制にはいじけることなく、友人のアドバイスを受ける態度養成に心がける。


ただし、これを指導するにあたっては、先生にとって重要なことがある。
知的内容を重視したり、労作的内容を軽視したりする偏見を持たない。
よくある例として
「算数ができるあなたは素晴らしい。マット運動なんかできなくてもあなたの将来に関係な
 いよ。」
掃き掃除の上手な子、雑巾がけの上手な子、忘れ物をしない子、やさしい子、元気な子
笑顔が素敵な子 なとなど。
上げたらきりがない。


人間の価値の尺度を幅広く、多面的にもつようにする。
これは先生自身の生き方に関わる問題である。
だから、教育は自己教育なのだろう。
私は、偏見をもってみることが多かった。
そのことに気付かされることばかりであった。

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