教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 678回 無駄をなくして、最速、最短の道?

前回の時短についての続き。
世の中は科学の力によって、ますます便利になっていく。
街の中を歩いていると、歩道が動き、自然に階段が上がる。
高齢者にとっては、有難いことである。
でも、一方では、歩かないとますます脚力は衰えるという。


便利になることで失われことはないのだろうか。
小さな力で大きな力をだす効率性が優先される。
無駄をなくして、最速、最短の道が開かれる。


私は登山が好きである。
今は、高い山に登ることはない。
登山は、最速最短の真逆である。
しかし、身体のつらさを乗り越えて頂上に立った時の爽快感は、経験した者でないとわからない。
ゆっくりと時間をかけて活動することも楽しいものである。


効率は時間節約につながる。
それは、便利ではあるが、楽する心が芽生える。


教育現場を見てみよう。
授業において、効率化が優先され、視聴覚機器が多く導入されている。
パソコン授業も必要であるが、画一的な学習になることもある。(個別的ではあるが)


子どもたちがパソコンを使って文章を綴ることも多くなってきている。
速く、楽に、簡単に文字がうてる。
だれでも表示された文字はきれいである。


反面、文字を手で書く機会が少なくなっている。
文字一つ一つに書き手の気持ちは乗り移らない。


手書きには、筆者の思索のさまよいが残る。


手書きは、その時の筆者の気持ちがダイレクトに表れる。
そこに、個性を垣間見ることができる。


ちなみに、私は、今でも考える時は鉛筆でノートに書いて考える。
パソコンでも文章を書く。
どちらがよいとは言えない。
人によって違っていいと思う。

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