教育随想 638回 補助発問 否定・誤答を提示
これは、よくある発問ですね。
子どもたちの思考を刺激する時に使います。
「ごんぎつね」の導入の時に使うことがあります。
子どもたちの最初の感想は、「ごんが殺されてかわいそう」と言います。
その時に、指導者は否定します。
「ごんは、馬鹿だね。わざわざ人間の家に入ってしまうなんて」
子どもたちは「いや、ごんには、兵十の家に入った理由があるんだ」と言います。
指導者の考えを否定します。
「じゃあ、ごんが、最後に兵十の家に入ってしまった理由を考えようか」
というように誘導することもあります。(毎回ではありませんが)
算数の学習においては、間違った答えの計算の例を並べます。
5題ぐらい出します。
「このなかで、答えが間違っているのものが2つあります。見つけてごらん」
というように、最初に誤答の計算問題を提出します。
結果として、すべて誤答にします。
さらに、誤答に関心を持ち始めると、整数、小数の筆算において、まちがえるかもしれない誤答、その過程を考えさせます。
位取り、小数点の打ち方、0を含む計算などなど。
理科においては、子どもたちのだした結果や仮説、予想を否定します。
液体に個体を溶かした時の重さがどうなるのか。
水に砂糖をとかした時の重さがどうなるかを考えさせる場面があります。
水と砂糖の重さを合わせた重さを求める問題です。
砂糖は溶けてしまったので、砂糖の重さはなくなると考える子がいます。
水だけの重さになるという考えです。
その中間として、少し砂糖の重さが加わるという考えもでてきます。
指導者は、間違っている子どもを応援します。
その他の考えを否定します。
「みんなおかしなことを言うね。砂糖は見えなくなったのでしょ。見えないものに重さがあるのはおかしいじゃない。」
このように持ちかけると、水と砂糖の合計の重さがあるという子どもたちは意欲的になって、先生の考えに挑んできます。
子どもたちが当たり前に思っていることを否定します。
逆説的な考えを提示します。
間違ってみせます。
黒板に漢字を書くときに、時々筆順を間違えます。
だれかがそのまちがいに気づきます。
以後、子どもたちは、先生が黒板に書く漢字に注目するようになります。
先生も筆順を前もって確かめる勉強をします。