教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 637回 補助発問 鉄砲玉 スモールステップ発問

学習中、中核に迫るために、子どもの考えを一つに集約させることがあります。
あるいは、今まで考えてきたことを整理することがあります。
そのような時に、補助的発問を提示します。
この発問は、指導案に組めないものです。
指導者が授業中とっさにだす発問です。
学習の雰囲気を変えます。
ヒントをだして気づかせます。
課題を与える主要発問ではなく、この補助発問を自分のものにするといいです。
ふだんの授業で、意識して使います。


スモールステップ発問
中核となる発問を出したあと、子どもがとてもその程度まで考えが及ばない時があります。
そこで、考える内容を細かく切って、段階的に発問や助言をします。
これについては、授業前に必ず指導者はいくつかの発問を用意しておきます。
子どもたちがスムーズに理解するなら必要ありません。


子どもたちが学習において、予想される難関を予測します。
授業には、必ず、子どもたちの学びが滞る場面がでます。
その時に瞬時にだす発問です。
私は、これを「鉄砲玉」と呼んでいました。
いつでも玉を出せるようにしておきます。


この発問を考える時、子どもたちの理解過程を分析します。
課題達成までに、いくつの認識段階があるのかを考えます。
それぞれの難所を考えます。


その難所に対して、どのような助言や発問が必要かを準備します。
こうして、準備していても、子どもたちは予想外のところでつまずきます。
その時には、とっさに考えて提示しなければなりません。
そのことが私にとっては楽しいのです。
子どもと教材と指導者の3要素によって、子どもの学びは刻々と変化します。


前もって決められた指導案どおりに学習が終わるとしたら、ロボット先生でいいですね。
子どもの学びが変数である限り、指導者の対応も変数です。

×

非ログインユーザーとして返信する