教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 630回 高学年学習指導 作文を 書くように 考える

高学年の学習の基礎は、自力学習であるとお話しました。。
言葉を通して物事を考えるのは誰もが承知しています。
ところが、私たちもそうですが、考える時に、言葉の断片だけで考えています。
考えることは、文章で考えることだと思います。
最後の文末まで言葉に表すことです。
文章にして最後まで自分の考えを頭に描きます。
作文を書くように頭のなかで文章を綴ります。


子どもの学習ノートは、言葉の断片で考えるのではなく、文末を意識した文章で考えさせます。
ノートは、考えるようにそのまま言葉に表します。
そして、文末の表現「である」「かもしれない」「ちがいない」「と思う」など、
自分の意思決定を明確にさせます。


算数の計算まちがいの訂正。
「ああ、計算まちがいでした」ではだめです。
どのようなまちがいだったのか。
どこをどのように間違ったのか。
わかっていてまちがったのか。
わからなくてまちがったのか。
見直しをしたのか、しなかったのか。
原因がわかったら、これから、どんなことに気を付けたらいいのか。
これらのことを文章化させます。
すべての問題の間違いについて文章化するのは大変です。
たった一題だけでいいです。
先生は、その場に合わせて指導を入れます。


国語の読み取ったことを文章化します。
読み取った結果だけ欠かせないようにします。
読み取るまでの考えのゆれ、迷いを書かせます。
こうかな、こうだともいえるが・・・。
文章を読み取ることは、自分を読み取ることでもあります。
子どもたちには、自分の心に映っていることを謙虚に書かせるようにします。
このように、子どもたちが、自分で読み取ったことに向かい合っていくことが大切です。
自分のなかの迷いを見切ることで、子どもの内面化が生まれます。
それは、人間が、自分を凝視する心の在り方へとつながっていくと考えられます。

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