教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 631回 高学年学習指導 小集団学習 学習効果と人間理解

授業において、班学習を使うときはどんな時でしょうか。
全体で意見が出ない時、班で話し合いをさせる。
子どもたちの考えが停滞した時、班で考えさせる。
班だったら子どもたちの考えがだしやすいということで場を設定する。
指導者が授業の進行に困ったとき、とりあえず班学習をさせる。(避難所)
調べ学習、実験観察等で少人数のほうが活動しやすい時。


全体学習と個人学習だけで学習の進行はできます。
子どもたち各自が考え、発表して全体で検証やまとめをします。
そこには、小集団学習の必要性がありません。
知識の習得ということに限れば、班学習をあえてする必要がありません。


班学習のような集団学習は、それ自体の維持機能を発揮することが目的です。
維持するとは、集団構成メンバーの一人ひとりの集団に対する意欲と期待を膨らませることです。
みんなと学習や作業をすると楽しい。
みんなですると自分が成長する。
みんなと協力しあって、目的を達成することで、自分も成長する。
それが集団維持機能です。


班が学習班であり、生活班としての機能を持ちます。
清掃、給食、学習活動をすべて同じ班で行動させます。


しかし、班としての集団維持機能を育成するには、学習班が最適です。
学習を通して、子どもたちが学び合うことで、人間的な深まりがでてきます。
自分の学びが友だちと切磋琢磨することで深まります。
さらに、お互いに支え合う優しさを感じ取ります。
独りの世界が集団によって広がっていきます。


一人ひとりの子の自主性、協同性を問題にします。
集団機能を利用して、学習の効率化を考えます。
一つの課題に対して、一人ひとりの考えを出し合ってまとめます。
さらに、自分の考えを友だちとすり合わせることもできます。


小集団学習には、学習効果と人間理解の両面があります。
どの場面で班を取り入れるかは、先生の指導力にかかっています。

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