教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 572回 夏休みの宿題 先生の学習指導の結果では

夏休みの宿題提出からわかる担任の指導力


夏休みは、子どもたちが主体的に勉強する機会です。
いくら宿題が強制であっても、すべての子どもが提出すると限らないです。
まして、計算や漢字の画一的な宿題は、子どもそれぞれの能力に見合ったものではありません。


学校として、何も宿題をださないで夏休みを迎えさせられないので、形式的に課題を与えているかもしれません。
本来は、子どもの能力と意欲に合わせた課題を与えることが大切です。
学校も保護者も宿題があれば、安心しているところがあります。


宿題の提出の有無は、先生の一学期の学習指導の成果です。
先生の学習指導の在り方を反省する材料にする必要があります。
一学期、子どもたちの学習意欲が膨らんできたかのように思えても、管理下におかれない子どもたちにおいては、意欲的に学べる子どもが減少します。


先生の学習指導の反省として宿題を検閲します。
計算と漢字の宿題は定番です。
計算式を丁寧に書いて答えを求めているか。
最初から最後まで、気を抜かずに真剣に計算をしているか。
その仕方にむらがないかを調べます。


漢字の練習、一行目の漢字と最終行の漢字のていねいさを比べます。
とにかく書けばいいと思って書いている子ども。
最終行まで、気を抜かずに正しく書いている子ども。
そこには、子どもたちの学びの姿勢が顕著に表れています。
それが先生の指導力の結果であることを認めます。
そして、二学期からの計算・漢字指導の工夫を試みます。


読書感想文から、子ども一人ひとりの読書姿勢をつかみます。
その他、絵や工作、自由研究などは、子どもたちの得意なものを把握する上で大事です。
絵はどの場面を描写しているか。
工作は、何に興味をもっているか。
家族の誰の助言を受けたか。(子どもの勉強に対する家族の関心度)


自由研究の対象を把握して、その授業のなかで発展させられるようにします。
絵・工作・自由研究を友だちに紹介できる場面を設定します。


夏休みの宿題で、自由課題については、先生が一つ一つの作品を丁寧に取り上げるようにします。
子どもの学びの意欲を増幅させるためです。
簡単に扱ってしまうと(掲示のみ)独りの子どもの学びの灯を消すことになります。


子どもは、自分のしてきたことについて、しっかりと受け止めてほしいのです。
子どもの小さな学びの足跡を見逃さないようにします。


ちなみに、子どもたちの学び、その意欲は、先生の手から離れたときにわかるものです。

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