教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 573回 子どもの小さな事実を集める先生

夏休みの長い期間が明けて、子どもたちと出会います。
二学期、最初の出会いはとても大切な瞬間です。
子どもたちとは、一学期終了時のイメージを心に留めて別れています。
ですから、最初に子どもの姿を目にした時は、とても新鮮な感じを受けます。
この感覚、感性的なものを大切にします。


子どもたちの表情
夏休み前より明るくなった、暗くなった、どことなく影があるなど、印象を大切にします。
この印象を書き留めておきます。
やがて、生活が始まると、その原因がわかることがあります。


体の変化
身長、体重の変化、体つきの変化は、精神的変化につながります。
急に大人びた感じを受けることがあります。


始業式で並んでいる子どもを観察
前から歩いて観察
朝洗顔をしているか。
目のまわりの腫はないか。(目やにも)
口のまわりの汚れ。
髪の毛の手入れの有無。
これらのことは、子どもたちの朝の生活状態を語っています。


後ろから歩いて観察
靴のひもが結ばれているか。
服の汚れはないか。
登校日に服が汚れていたり、ほころびがあったりする子どもがいます。
保護者が子どもにどれたけ関心を寄せているかがわかることがあります。
もちろん、その日はたまたま保護者の目が届かなかっただけかもしれません。しかし、子どもの登校最初の日です。
子どもたちの夏休みの生活一端が最初の登校日表れています。


始業式終わります。
教室に入ります。
すぐに作文を書かせます。
原稿用紙を配布します。
タイトルは「始業式前日 その夜のこと」
登校が始まる前日の夜、どのような思いで過ごしたかを書かせます。
これが、意外におもしろいです。
そこに、学校に対する期待感、不安感がにじみ出ていることがあります。
いつもお話していることですが、子ども全体を把握するのではなく、個々の子どもを具体的に把握することが教育実践です。
子どもをきれいな言葉で締めくくらないようにします。


やがて、新学期の様子が報道されます。
校長先生が言われます。
子どもたちは元気に登校してきました。
「元気に」とは、何をもって言われるのでしょうか。
今の社会の状況をまともに受けている子どもたちです。
今まで以上に細やかな配慮が必要です。
それは「目で聞く」「耳で見る」ところか始まります。

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