教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想564回 自由にしていいよ 頭がフリーズ

保育園や幼稚園の先生の話です。
今の子どもたちは、遊びも画一的になっている。
提案された遊び方は上手にできる。
しかし、自分で遊び方を考えることはできない。
大人の指示がないと遊べない子が多くなっている。


自由に遊べない子どもたち。
親の世代も豊かで便利な時代に生まれています。
物事にはすべてマニュアルがあるのが当たり前です。
言われたことをやるのがよいとされる環境で育っています。
自由にやれと言われると大人も困ることがあります。


自由時間があると何をしたらいいのかわからないです。
「ひまや ひまや」と愚痴をこぼしている人も見かけます。
コロナにおいても、どうしたらいいのかマニュアルを示せといわれる。
自分で考えて行動できない人もいます。
自分のやるべきことを自分で考えて行動することがやりづらい人もいます。


総合的な学習が始められた時です。
「テーマを決め手自分で自由に追究してごらん」と指示。
とたんに子どもたちは、なにをしたらよいか路頭に迷いました。
先生もどのように指導すべきか迷いました。
やがて、それではいけないと、総合的な学習の見本となるものが出されました。
つまるところ、学校は子どもたちの主体的な自由を育てることはできませんでした。
子どもに指示しないと総合的な学習が進められない教室もでできました。
教科書を教えているのがどんなに楽かを知りました。


主体的、創造的な学習は、自由を前提にしています。
子どもたちは、自由に自分のなかからわき上がる意欲とテーマにそって学ぶことが難しくなっています。


授業についても考えてみましょう。
一時間の授業のなかで、子どもたちに自由に勉強してごらんという時間をとられているでしょうか。
子どもたちは、フリーズしてしまうでしょうね。


すべてに手順があると学んだ大人は、子どもに対しても方法を示して、その通り動かそうとします。
そうすれば、効率的だからです。


学びの場で、子どもたちを5分間でいいですから、自由に子どもに任せることがあってもいいのではないでしょうか。
具体的には、授業の開始5分間を子どもに「自由に勉強してごらん」と任せます。
どんなことをしてくるでしょうか、おもしろいですよ。

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