教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 549回 けんかができない子どもたち

子どもたちの世界をのぞいてみると、いつも感じることがあります。
感情を極端に抑制している子どもが多いように思えます。
もちろん、地域によっては、そうとも言えないことがあるでしょう。
しかし、子どもたちの遊び方を見ていても、形式的な交際に終始しています。
集まって、ゲーム機器を中心に一人ひとりがゲームに没頭しています。
お互いの表面的な感情の交流しかありません。
そのような子どもたちが増えてきたように思います。


かつてのような激しい喧嘩を見ることはほとんどありません。
「みんな仲良く」「いじめはだめ」という言葉に抑えられています。
ですから、子どもたちの言葉は表面的なものになっています。
子どもたちの話を聞いていても、お互いに聞き合ってはいません。
それぞれの子どもが自分の主張を独りごとのように発しています。


子どもたちがお互いに相手をしっかりと受け止めていません。
耳を傾けて、相手の心をキャッチする姿勢が乏しいようです。
子どもたちは、友だちとの差を主張します。
それが個性的ともいわれています。
国語の教材の最後には、お互いの感想を出し合って、その違いを見つける指導が多いです。
違いを大切にすることは、自己を確立する上で大切なことです。
しかし、それは自分を際立たせるためのものです。


「友だち」との考えの違いを見つけるためには、相手の考えを心の奥深くに取り入れることが必要です。
相手の考えをしっかりと聞く、さらに聴く態度が大切です。
子どもたちの様子を見ていると、単なる自己主張です。
そこには、お互いの感情の交流がありません。


お互いの違いは喧嘩から、争いから生まれるといったら言い過ぎかもしれませんが、少なくとも、真っ向からぶつかり合える状況が必要だと考えます。

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