教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 487回 子どもにとっての環境 先生の服装

先生の服装は、自由でいいのではという話を聞いたことがあります。
早朝より体育の服装、授業もすべて体育の服装です。
人によっては、通勤も同じ体操服です。
服装は個人の問題だから、自由でいい。
体操服のほうが、子どもたちと活動しやすいのでいい。
服装に関しては、先生方によって異なる考えを持っておられます。
それに対して、肯定も否定もしません。
だから、私も私の価値観で服装を考えてきたというだけのことです。
ジャージとカッターシャツを、一日にその時々に応じて着がえていました。


医者が短パン姿で患者を診療したら、患者はどのように感じるでしょうか。
テレビのアナウンサーが、ジャージ姿でニュース読んだら、視聴者はどのような思いをもつでしょうか。
プライベイトの服装と違って、仕事のための服装です。
子どもたちを指導する服装です。
授業で子どもたちの前に立つ服装です。
相手にどのような印象を持たせるかを考えることも必要です。


教室の授業場面について、私が今まで参観した先生の姿をあげます。
美しい自然の景色を読んだ詩の学習。
先生は、水泳指導のあとなので、短パン姿にスリッパで授業をされています。
子どもたちは、先生の服装を目の中に入れて指導を受けています。
詩を味わう空気でしょうか。


ある女の先生。
算数の授業です。
奇抜な服装でハイヒール姿です。
教室を歩くと、ヒールの音が響きます。
さらに、あれと思ったのは、先生がつけておられる香水の香り(においかも)が廊下の外まで流れています。
子どもたちは、ヒールの音を耳に入れ、香水の香りをかぎながら算数の指導を受けています。


私の小学校6年生の男の先生。
朝から帰りまで、一週間ずっと同じジャージでした。
机間巡視でそばにこられると、その先生の体臭が鼻をついたのを覚えています。


私は、毎日、服をかえていました。
教科、教材に応じてかえることもありました。
特に、季節感のある服を着るように心かげました。
私が、服装にこだわるだけで、教室の空気が変わりました。
だから、いいですよというのではありません。
ただ、変わったという事実だけです。
先生の服装も教室の掲示と同じです。
子どもにとって、学びの環境です。


これは、実行してみると楽しいものです。
水泳指導や体育のあと、特に、運動会の練習のあと、私は、カッターシャツにネクタイをしめました。
子どもたちは、水泳や運動会の練習で疲れています。
空気を切り替えるためです。
本当に切り替わるから楽しいですね。


梅雨のうっとうしい毎日が続くときは、できるだけ明るい服を着ることにしました。
子どもたちは、毎日、先生の服装を目の中に入れながら学んでいます。

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