教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 381回 4年理科「とじこめ空気や水」空気の存在を意識させるために

4年生では、物質・エネルギーの内容として、空はや水の様子を比較しながら「粒子」について基本的な見方や概念を学習していきます。
その中で、本単元では「粒子の存在」を学習し、その後「ものの温度と体積」によってさらに「粒子のもつエネルギー」と続いていきます。


教科書では、大きく取り扱わなくなりましたが、物質の粒子概念を育てることが大切さだと考えます。
物質は、体積と重さをもったものです。


教科書を見てみると(啓林館)「空気でっぽう」を扱う場面が違ってきています。
以前は、とじこめた空気を押し返す力を注射器を使って理解させ、一番最後に空気でっぽうを扱っています。


ところが、新しい教科書では、空気でっぼうで遊ぶ時間を最初に持ってきています。
そこから玉がとぶわけを考えさせるようにしています。
空気でっぽうを通して、そのわけを考えるなかで、「閉じ込めた空気の押し返す力」を考えさせるようにしています。


私は、教科書が変わる前から、導入は空気でっぼう遊びからでした。
充分な日常体験から科学が始まります。
体験活動から生まれる「気づきと疑問」が科学の勉強のもとになっています。


この教材、水は見ることができますが、空気は身近なものであるにも関わらず目にすることがありません。
透明,形がないといった空気の特性により,その存在を実感することは容易ではありません。


子どもは,空気の存在を知識としては知っています。
 しかし,子どもが目に見えない空気を「もの」としてとらえ,その性質について考えていくことは,本単元を学習する上で大きな壁になります。
そこで,空気でっぽう遊びを通して,子どもが,目に見えない空気の存在を感じ,空気の面白さや不思議さを味わえるようにしていきます。
そして,そこで生まれた子どもの気付きや疑問を生かしながら学習を展開していくことが大切だと考えます。


科学的概念の形成
 空気も水も目には見えない小さな粒でできているとことをイメージさせます。
水は粒がたくさん詰まっている物質、空気は粒が少しだけ詰まっている物質で あることをイメージさせます。
具体的には液体と気体では、液体の方が同じ体積でも約 1000 倍多く粒が含まれています。
空気は一定の体積中に粒子が少ししか存在しないから、 外から力を加えると押し縮めて体積を小さくする事ができます。


閉じ込めた空気は押し縮められるが水はほとんど押し縮められません。
これについて、空間 に占める粒の量(密度)が空気と水では違うことを基に説明できます。
このように物質を粒として考えることが大切だと考えます。


指導計画は次の通りにします。
第1時 空気の存在の確認実験
 第2時 空気鉄砲遊び➡十分な遊び ➡気づきと疑問
 第3時 空気鉄砲が飛ぶわけ
 第4時 問題解決 検証実験
 第5時 閉じ込めた水の性質
第6時 空気と水を一緒に閉じ込めると
第7時 発展学習
第8時 まとめ 


実践例として、第1時は次のような実験をします。
コップと水槽を使った実験において、予想をたて推論することで、空気の存在に気付くようにする。
実験1は、コップの中に空気が入っているということを感じさせる。
実験2は コップから空気をだしてしまえば、コップの中は外から空気が入ることなく水で満たされる
 実験1 問題
  からコップの底にテッシュをはりつけて、水の入ったすいそうにコップを全部つけました。ティッシュはどうなるか。(空気の入ったコップを垂直に沈める)
①予想する。
ア 水にぬれる  ★挙手して人数確認
イ 水にぬれない
②話し合い
③師範実験
④ノートにまとめる。


実験2問題
 すいそうにしずめたコップを横にして空気をすべてだしました。
水でいっぱいになったコップを水槽のなかで、さかさまにしたまま水面ぎりぎりのところのまであげました。
コップの中はどうなったでしょうか。
予想
ア 水ははいったままである。
イ 水の半分がなくなる。
ウ 水はなくなる
①予想挙手
②話し合い
③師範実験
④ノートにまとめる。


空気の存在を確かめる問題です。
子どもたちの話し合いが楽しくなります。

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