教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 358回 宿題から予習、復習へ 指導の手立て

課題を与えたら勉強する。
課題を与えられないと勉強しない。
宿題は子どもたちの学びを受け身にします。


4年生以上の子どもたちは、宿題ではなく予習、復習を中心にします。
その方法は、授業の仕方にあります。


授業開始 算数の学習。
教科書を閉じさせる。
先生「今日は、どんな勉強をするのですか」と質問。
子ども「角の勉強です」
先生「どうしてわかったのかな」
子ども「前もって教科書を開いて、内容を確かめました」
先生「すごいねえ、あなたは、勉強が始まっていないのに、今日の勉強を   しているんだね。それを予習といいます。」
さらに、「角のどんな勉強をするか知っている人いますか。」
子ども「角のはかり方です」「分度器の使い方です」
先生「よく知っているねえ。前もって勉強したんだね。」
本を開いて読む。学習内容を把握する。
最初の予習の指導です。
ただし、ほめるだけであって継続しなさいと強制しません。


授業開始、国語の学習
先生「今日から説明文の学習をします。」
  「家で読んできた人はいますか。」子どもたち挙手
先生「前もって読んだの?予習をしてきたんだね」
先生「読んでどうだったかな」
子ども「少しわかりにくかったです」
先生「へぇ、すごいじゃない。わかりにくいことがわかったのだね」
  「どんなことがわかのらなかったのかな。」
わかりにくい所を見つけることが予習であると意識させます。
子どもたちの小さな学びを取り上げて、それを誉めます。


授業の最後 5分間  算数の場合
今日の勉強、角の大きさのはかり方がわかったかどうか確認します。
子ども「分度器を使ってはかるときがちょっとなれないです」
先生「そうなんだ、自分で勉強をふりかえると、不安な所があるね」
  「そのような人は、家でもう一度、教科書の問題をやり直します」
  「同じ問題でいいよ。自信をもつまで繰り返します。」
  「これを復習といいます。」
子ども「教科書ではなく、ドリルで確かめてもいいですか」
先生「いいねえ、ドリルや問題集を使ってごらん」
このように、子どもたちが自分で問題を選択して学ぶことを推奨します。
一律な宿題ではなく、子どもが主体的に選択できる方向を目指します。


次の算数の時間。
「昨日、家に帰って復習した人がいたら、その内容を教えてください。」
子どもちの何人かが発表他の子どもたちの刺激になり参考になります。
少しずつ人数が増えていきます。
決して、復習を強制しません。
強制すれば宿題になってしまいます。


予習課題の確認
今日の勉強に入ります。
家で勉強してきた人に尋ねます。
どんなことをしたかを発表させます。
ちらっと教科書を開いてみるだけでいいです。


得意な子どもは、問題を解いてくるようになります。
ゆっくりと進むのは、彼にとっておもしろくないからです。
6年生になると、算数上巻の教科書を一学期の間に終えます。
「習っていないから先にしないように」という言葉は禁句です。
彼には、友達の学びを、つまずきを予想してサポートする仕事が待っています。
友達に教えているうちに自分もわからなくなってくることがあります。
それがおもしろいのです。
わかることの奥深さに気づかせるようにします。


不得意な子どもたちは
先生が復習や予習の内容を前もって提示します。
しかし、強制しません。
子どもに選択を任せます。
子どもに少しずつ予習や復習の内容を提示します。
その内容を広げます。
先生と子どもの個別面談です。


ここで一番大切なことは
予習してきたことが授業のなかで生かされることです。
予習してよかったと思わせることが必要です。
復習している子どもには、前時の問題を黒板で解くように指示します。
そして、できたことを誉めて、そのための復習を認めます。


予習→授業→復習のサイクル
学習内容によっては、宿題として一斉課題をだすこともあります。
決して、宿題が全くないわけではありません。
6年生は、中学校の勉強を意識して予習復習の学びを身につけさせます。
算数の学習は1月には終了します。(単級の場合)
子どもたちが主体的に学ぶようになったら、学習進度が早くなります。
もちろん逆もあります。
理科や社会では、内容を深めていくと前に進めなくなります。

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