教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 324回 学級づくりは 男の子を中心に

すてきなコメントをいただきましたので、そのコメントをきっかけとして書かせていただきます。


以下コメントより
 特に男の子は自覚してからが伸びますね。急激です。 今までぽや~っとしているように見えた子が全て繋がっていくかのような姿は感動すら覚えます。 女の子は大抵普通に階段を上りますが。成長が目に見えないときは耕し肥料をやり良い土壌を作っておくことだなぁと思います。以上


コメントをいただいた先生は、とても素敵な感性をなさっていると思いました。
子どもを観察することは大切なのですが、それよりも、子どもたちを感覚的にとらえることのほうがさらに大切だと考えてきました。
理屈で子どもたちをみるのではなく、子供たちの変化を感じる心が大切だと思っています。


さて、学級づくりにおける男子と女子の特質のようなものをお話します。
先に、結論から言いますと
女子は堅実に変化、成長しますが、男子は、飛躍的、あるいは、爆発的に成長します。
男子中心の学級集団は、エネルギッシュな集団になります。
これは、私の学級づくりの体験から言えることです。


たいていの場合、委員会や係のリーダーが女子になっていることが多いです。
女子に仕事を依頼すれば、着実にこなします。
それに比べて、男子は、やりたがるわりには、ち密さに欠け、仕事が雑なことが多いです。
先生方の学級の子どもたちと違っていましたら、聞き流してください。


私も、若い時は、女子を中心として学級を育てようとしていました。
学級活動において、女子が男子に指図していることが多く見られました。
掲示物を展示するとき、女子が棚の上にあがり、その下で男子が掲示物を女子に手渡していました。これが悪いというのではありません。ただ、手渡している男子にパワーを感じませんでした。本当は、男子が棚の上に上がりたかったのではないかと感じたのです。
これ以外にも、力仕事を女子が中心になっていることが多かったです。


あるとき、女子は言いました。「男子は、きちんとしてくれないので、私達が動いた方が早くおわります。」
特に、集団活動の場面で、女子が中心になっているのが目につきました。


男子は自覚するまで時間がかかりますが、いったん、決心した時、その活動の機会を与えればパワフルに動きました。集団生活において、女子の活動範囲が男子の活動の場を小さくしていたのではないかと考えるようになりました。


あるとき、子供たちに水につけた雑巾を絞らせてみました。どれがよく絞れているかをチェックしました。男子のほうが優位にたちました。
「男子の雑巾を絞る力、さすがだね。でも、どうして、この力を掃除のときに活かさないのですか。」と話しました。
机運びも男子と女子のグループに分けて、時間を測りました。男子が早かったのです。
このようにして、男子の良さを引き出すように機会を与えるようにしました。


やがて、班長、係のリーターをすべて男子にしました。
ただし、女子を副班長、副リーダーにしました。
サブはリーダーを支える仕事であると伝えます。
だから、サブリーダーである女子が立派なリーダーを育てることができることを、サブの女子だけを呼んで伝えました。
男子は、時間をかけて育てることが大切です。


さて、女子の特質も話します。
女子は、学級全体の雰囲気を底辺で作っています。(陰の力)
学級が崩壊してきたかなと思われる学級を参観してみてください。
女子の学習態度、特に、先生の話を聞く眼差しに柔らかさとやさしさがありません。


女子が荒れてくると、その影響が男子に影響してきます。
ふしぎなことに、事実として表れてきます。
学級崩壊を起こしている学級を何度も担任しましたが、荒れている男子ばかりが目立ちますが、その陰に隠れて女子の振る舞いが荒んでいることがあります。


男の子は、それなりに妙なプライドがあります。
できれば、お山の対象になりたいという願望があるようです。


今回、お話したことは、他の学級には当てはまらないかもしれませんが、私の実践体験のなかで感じ得たことです。

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