教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 285回 残りわずかの三学期 先生にとっては新学期の始まり

休校に入っているところが多いので、子どもとのかかわりは少なくなりますね。


子どもたちにとっても、あとわずかになってきました。しかし、先生にとっては、この休校期間の日々は1年間の総決算です。
そのことは、即、新学期の子どもたちへの指導の始まりです。
先に進むための振り返りです。


反省のポイントを3つあげます。
◎終業式までの子どもたちの表情と想い


「やっと終わった」という子どもたち。
「やっと」に込められた子どもたちの想いを大切にします。先生にとって、「やっと」と子どもたちから言われると寂しい感じがしますが、それが現実です。
子どもは先生の実践を顕著に映し出す鏡です。
そこから目を背けるわけにはいかないですね。
「やっと」とは、何かをがまんしていたか、期待はずれに終わったのか、そのあたりを分析します。
逆に、「もう終わってしまったという気持ちの子どもたち。どんなところがよかったのでしょうね。きっと子ども自身の成長があったのでしょう。


 それでは、分析のための方法をあげます。


①終業式までの子どもの会話と表情から


終業式が近づくと子どもの表情がしだいに明るくなる子、寂しそうな顔になる子がいます。
その理由はわかりますね。
子どもたちの会話を聞いていると「今度は○○先生がいいなあ」
私ではだめだったのかなあ。
「○年生になったらがんばるぞ」
今年はがんばれなかったのかなあ。どうしてかな?
いろいろと考えてしまいますね。少し落ち込むこともあります。


終業式が終わって子どもたちが教室や学校をあとにする時の表情を観察してみてください。
急に明るくなっている子どもがいます。子どもたちの気持ちが目に見えるようです。
教室から校門を通り抜ける子どもたちの表情を観察してください。


②作文から分析
 「やっと終わった」「もう終わった」という書き出しを子どもたちに選択させて、作文を書かせます。いろいろと書いてくれます。
さらに
楽しい思い出ベスト5を書かせます。5つあげることができる子どもが何人いるでしょうか。


②子どもたちのノートの総点検
 子どもたちのノートを各教科ごとに集めます。
 どれだけノートを使ったか。
 学習のあとがわかるノートか。
 ていねいに整理されているか。
 それぞれ観点を決めてチェックします。
 すぐれたノートはコピーをして次の学年の指導に活用します。
 このことが新年度のノート指導の目標になります。


③授業計画と指導記録を見直して
 授業の反省です。先生の考えている授業ができたのでしょうか。おもしろかった、手応えのあった授業はどの単元だったでしょうか。
少なくともよかった単元とうまくいかなかった単元の授業をひとつずつあげます。最高と最低の単元と授業を取り上げて分析します。


授業計画や指導記録の取り方も見直します。
毎日の授業ですから、簡単でいいと思います。ただし、これはと思う単元では、しっかりと指導案を書いてみるといいですね。


今年の反省は、新学期の出発です。


新年度、過去をすべて忘れたいという先生もおられると思いますが、その気持ちはわかります。しかし、過去を分析しないで、新たに新しい子どもたちを受け持っても同じ繰り返しになります。


残された時間は、先生のされた実践の成果に対する喜びであると同時に、問題点を凝視する苦しみでもあります。

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