教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想1105回 先生が 目立たない子をつくる

教室で目立つ子供たち。
発言力があり、授業者が困っていると親衛隊のごとく発言する子。
教えてもすぐに理解して自分のものにできる優秀な子ども。
運動能力の高い子は誰からも注目されるスター的存在。
指導者も彼らを使って模範演技をさせることもある便利な子。
すぐに先生になついて人見知りしない子。
新学期、初日から先生のもとに接近してくる子。
明るくて元気な子。
よく目立つ子どもたちの例です。


宿題をいつもしてこない子。
「先生、今日も忘れたわ」と平気な顔してにっこり笑っている子。
理解力が乏しく個別に何度も教え、手かかる子。
友だちにちょっかいをだして落ち着かない子。
友だちとけんかしたり、暴言をはいたりして教室の雰囲気を壊す子。
彼らもよく目立つ子です。


まだ、あると思いますが、ここに例として上がってこない子は目立たない子なのです。
先生の視覚の中に入ってこない子。
子どもと先生の接触回数が少ない子。
勉強も生活も一人ですべてこなしてしまう子も先生にとっては目立たない子。


どの子どもたちも家に帰ったらしっかりとめだっています。
しかし、教室の中では、目立たなくなっています。


実は、先生が子どもたちを目立たなくしているのです。
先生の視界のなかに入っていない、入れていないだけです。
先生の意識、配慮の外にいる子どもたちです。
先生の気持のなかで遠ざかり薄らいでいく子どもたちです。


目立たない子は先生自身が作っているのです。
すべての子どもは、友だちや先生に向かって自分の気持を発信しています。
それを受信できないのは指導者の力不足です。
これは、先生の意識の持ち方で子どもからの受信感度を挙げることができます。


受信感度を鈍くしている原因を考えると
①子どもたちを出会ったときの最初の先入観で眺めている。
②子どもそれぞれの発信の仕方を観察できない。
 言葉、身体的動き、表情から発信しています。


学期末に評価をまとめるとき、すぐに書ける子供がいる一方で、文字にならない子どももいます。
いかに、子どもたちを見ていないかを痛感する時です。


どの子にも気持がいくようにするための方法として
私は、一日が終わったら、一人ひとりの子どもの顔を思い出します。
言葉をかわした時の顔 喜怒哀楽のある顔 さみしそうにしている顔。
名簿をつくって、目を決めてチェックします。
そうすると、ほとんどチェックが入らない、思い出さない子がでてきます。
しまったと悔いる時です。
次の日は、思い出さなかった子に、意識して声をかけるようにします。

×

非ログインユーザーとして返信する