教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1101回 この先生ならぼくもついていけるよ 水泳最初の一歩

体育で水泳の技能についての指導があります。
どの先生でもされていることです。
その中でも水そのものに恐怖感を持っている子を取り扱います。


子どもとプールサイドで水かけ遊びをします。
次に、プールサイドにすわって、足をつけた状態で水かけ遊びをします。


プールのなかの先生に水をかけるように指示します。
少し離れたところに立った先生に水をかけます。
遠くへ飛ばすために、水を力強くつかみます。
その時に子ども自身にも多くの水がかかります。
でも、子どもは先生にかけることに夢中になって自分にかかる水を気にかけません。
気付いてみると、自分も全身に水がかかっていることに気付くのです。


さらに、プールのなかのサイドにあるお立ち台にたって水かけ遊びをします。
子どもをプールの水に近づけます。
子どもの水に対する恐怖感、抵抗感を須古派ずつ排除します。


ここで、決して焦ってはいけません。
細かい段階指導は、子どもの恐怖感の様子を見て進んでいきます。
育てる指導は、子どもの状況を的確にとらえて行います。
子どもたちの実態が先行します。
指導が先行するのではありません。
このあたりのことを焦って先生の指導が先行することがあります。


子どもが進んで水と戯れる姿が見られるようになったら「潜水ごっこ」です。
このとき指導者は細かい指示をします。
沈む深さと潜る時間の長さに細心の注意をします。


立った状態から
口だけつけてブクブクしてごらん。(鼻と目はつけない)
ブクブクをゆっくりと長くはいてごらん。


できたら鼻も水の中にいれてごらん。
鼻から静かにぶくぶくしてごらん。
そして、目も水の中に入れてごらん。
まだ、頭は入れませんよ。
目を少し入れてカバの目になるように。
おでこまではいってみようか。
最後に頭も全部入れるよ。


それができた時
これが潜水、もぐることだよ。
先生も子どもと一緒にします。
行動は先生が先行します。(理解と安心感)


さて、今度は、自分でもぐる練習をしてごらん。
この時に、子どもたちの達成度と恐怖感、抵抗感の程度を把握します。


このようにスモールステップで進むことで、「先生の指示に従えば水が少しずつこわくなくなっていく」という指導者に対する安心感と信頼感を得ることが大切なのです。
指導は指導者への信頼感を子どもの気持の中で育てることです。
この先生なら、ぼくやれそうだ」という気持を育てることが学習指導の根底になければなりません。

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