教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 1100回 優劣の差ではなく能力の個性にすぎない

社会、地域、学校は、人間一人ひとりの違いで小さな世界を作っています。
差をとりあげるとすぐに「差別だ」と声をあげる人がいます。
生まれた時から、誰一人として同じ人間はいません。
初めから容姿、能力、感情に差があるのです。
それは、だれもがわかっていることです。
差があることは、ややもすると人間の妬みを生みます。


私が新任の頃の話です。
先輩の学級の目標に「みんな100点をとろう」という掲示が貼られていました。
全員の能力が違うなかにあって、一つの教科をすべての子が百点をとれることはありません。
とれないことが当たり前です。
それぞれの能力差を考えないで、勉強が苦手な子に無理を強いることになります。


先生は時々、できる子供をほめます。
それは悪いことではありません。
しかし、それがすべての子どもの目標に設定してはだめです。


子どもたち一人ひとりの能力差を個人が認める、そして、それを全体で認め合うことが大切です。
子どもたちに友だちとの「共通点」や「違い」を確認、自覚させることは差別とは言いません。
能力を批判、否定すると差別になることがあります。


教育の大切な目標の一つに
子どもたちが自分の今、現在の能力(潜在的なものを含めて)認識、自覚させることです。
そのことが子どもの学び、成長するスタートになります。


優劣の差を認めるところから、差を縮める第一歩が始まります。

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