教育随想 962回 教科書に向かって 子供に向かわない
教科書を片手に授業することで、自然と子供から目が離れる。
授業者を見ていると、子供よりも半分ぐらいの時間、教科書を見ている。
教科書は事前にしっかりと頭の中にいれておく。
小学校程度の教科書なら可能である。
国語の場合もではきるだけ本時の学習場面は覚えるようにする。
先生のまなざしは、教科書、時計、子供の順に移っていく。
授業は、子供の表情の読み取りがすべてである。
子供の考え、疑問、迷い、不安を瞬時にキャッチする。
教科書を全く見ないということではない。
確かめたいときに机上にある教科書を読み直す。
できるだけ子供たちが一人で学んでいる時を選ぶ。
授業参観で指導者の視線を観察してみる。
子供から目が離れるのはどんな時かを確かめる。
教科書に目がいくことが多い。
参観の時は、指導者が質問して子供が発言したとき、先生は後ろの参観者に目が向かっていることがある。
授業者が参観者を目に入れてはだめである。
参観者を意識した授業は、すでに子供から離れている。
しかし、今まで話したことをすぐにはできない。
訓練をする必要がある。
教科書を1時間で何回見たかを記録する。
少しずつ意識してへらしていけばいい。
次に時計を見ないために、45分の時間経過を時計を見ずに体に覚えさせる。
だから、教室の時計は、黒板の上にかける。
指導者にとって見えない位置におく。
授業進行のなかで、あと何分かを予想できるようにする。
身についてくると、終了のチャイムと同時に授業を終えることができるようになる。(誤差はやむを得ない)