教育随想(授業づくり・集団づくり・児童理解)

実践、反省、さらに実践・・・

子供たちを相手にして、悩んだり迷ったりしている先生に読んでいただきたいと思っています。
迷うことが、悩むことが先生の良心であり、最も大切な能力ではないのでしょうか。
 わかったことよりわからないこと、できたことよりできなかったことに 心を向けていく先生は 素敵だと思います。

教育随想 954回 枠にはめられた 仮想の学級  無指導の指導

経験的なことから言います。
6月20日から7月10日ぐらいの間に、活気 笑い声 緊張感のある学級に変化します。
なぜ、その期間かと問われてもその理由を明確には答えられません。
あくまで私の実践上のことです。
不思議なことにどの学年を担任しても同じ時期なのです。


その時期にふと気が付くことがあります。
今までとは違って、急に小さな変化が生まれます。
朝の会を自分たちで進行する。
お互いが意見交換のときの表情が柔和になる。
家庭学習する子供が増え始める。
掃除のとりかかりと所要時間が早くなる。
集団で遊ぶことが増える。
その他いろいろ・・・あれっと思う変容がでてきます。
ただし、4月5月に私が今までお話したことを実践した上でのことです。


さて、問題は、この時期よりもかなり早く学級がまとまってしまったときです。
6月は許容範囲ですが、5月でまとまるときは疑問です。
子供たちの自覚と成長にもとづいた学級とは思われないからです。
担任の理想の学級づくりを子供たちに有形無形の圧力をかけています。
枠にはめられた仮想の学級なのです。


その学級が仮想である見つけ方があります
〇担任が教室にいる場合と不在の場合の落差が大きいです。
 出張の時の教室の子供たちの様子が先生がいるときとでは異なりま
 す。
〇先生が出張の時には、自分が不在の時の子供たちに自信がもてない
 から、プリントを多用します。
〇担任の授業と専科授業の先生との学習態度に落差があります。
 先生によって多少学習態度に差が生じるのは当たり前です。
 ところが、この場合は、子供たちが先生の指示に従わないことが
 おこります。
子供たちの様子を専科の先生が担任に報告すると、担任は、専科の先生の教え方に問題があるかのように答えます。
〇校外学習の時、担任の指示には従うが、引率の先生の指示は無視
 します。


他にもいろいろあるとは思いますが、私は、自分が出張の時の子供たちの様子が最も気になりました。
先生のいないときの子供たちは、担任の現在の指導結果を表しています。
これを「無指導の指導」と言います。
先生が指導していないときこそ、本当に担任の指導の成果があらわれるものです。

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